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1以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:39:12.527 ID: /NEKwiG5a.net

886 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2008/09/04(木) 23:57:35 ID:H6ASpnJbO
近所の中華屋でラーメンを食ったんだが、金を払おうとしたら、店主がいらないと言うんだ。

「今日でお店終わり。あなたが最後のお客さん。ひいきにしてくれてありがとう。これ、おみやげ」と、折詰めを二つくれた。

俺は何と言っていいかわかんなかったけど「とても残念です。おみやげ、ありがたく頂戴します。お疲れさまでした」と挨拶して店を出たんだ。

折詰めの中を見たら、餃子やら春巻やら唐揚げやらが、みっしりと詰まってる。ちょっと一人じゃ食べきれないボリューム。

面白い体験だな。得しちゃったな。と、楽しくなってさ。帰り道、友人に電話して、経緯を話してから「今、俺んとこに来たら、中華オードブルがたらふく食えるぜ」と誘ったんだよ。
すると、友人は変な事を言うんだ。




3以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:40:05.542 ID: /NEKwiG5a.net

「その折詰めの中身、食ったのか?」
「食ってないよ」
「いいか、絶対食うな。それから、絶対アパートに戻るな。そうだな、駅前のコンビニに行け。車で迎えに行ってやるから」
「どういう事が全然わかんないんだけど」
「説明は後だ。人のいるところが安全だ。コンビニに着いたら電話くれ」

とにかく俺はコンビニに向かったよ。で、友人に電話した。
「着いたよ」
「こっちももうすぐ着く。誰かに後を付けられたりしてないか」
「えーと、お前大丈夫か?」
「それはこっちの台詞だな」

それから、友人と連絡が取れなくなった。携帯がつながらない。
小一時間、コンビニで待ってたけど、友人は現れない。

友人が言った、絶対アパートに戻るな、というのが、何故か頭に残ってたから、ネットカフェで朝まで過ごし、始発で実家に帰った。

いまも実家でゴロゴロしてる。
他の友人に尋ねても、そいつとは連絡が取れないそうだ。
そろそろ学校も始まるし、友人の消息も気になる。
折詰めはコンビニのゴミ箱に捨てた。




5以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:41:17.106 ID: /NEKwiG5a.net

九月も中頃を過ぎて、さすがに実家に居づらくなったのでアパートに戻ってみた。

晩飯にコンビニ弁当を食っていると、お隣の人が来たんだ。ちょっといいかな、って感じて。

「もう、大丈夫なのか」って聞かれたんで、すごくびっくりした。
え?なんで知ってんの?

でも、お隣の人が続けた話にもっとびっくりした。
「夜中にガラの悪い男が、あんたの部屋のドアやら壁やらをガンガン蹴ってたんだよ。
借金かなんかでヤクザとトラブったのかと思った。しばらくあんたの顔も見なかったし。でも、あんたも戻ってきたんだしね。詮索はしないよ」

帰ろうとするお隣の人を引き止めて聞いた。




6以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:41:44.243 ID: /NEKwiG5a.net

「それはいつ頃のことですか」
「八月の終わり頃と、先週くらいかな。先週のは、しつこく蹴ってたから、警察呼ぶぞ、っていってやったら、すぐ引き上げたみたいだな。……もしかして、知らなかった?」
俺が半笑いな感じで頷いたら、お隣の人は無言で出ていった。
俺も即、部屋をでた。

それから、カプセルホテルとかを転々としてる。
実家にまた戻るのいいんだろうけど、よくわからない災いをもたらしそうで、正直怖い。

とにかく、消息不明の友人に話を聞くのが解決の近道と、学校の知人と連絡を取り合ってるが、いまだ音信不通。
どうしよう。




7以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:42:30.364 ID: /NEKwiG5a.net

74 本当にあった怖い名無し 2008/10/13(月) 22:47:06 ID:lViNYiG0O
すいません。以前、中華屋で折り詰めを貰ったものです。
消息不明の知人が、自殺していたことが判明しました。
俺は学校を辞めました。
アパートも引き払いました。
多分、これで終わりになるでしょう。

91 本当にあった怖い名無し 2008/10/14(火) 02:38:17 ID:bZVVQCfJO
本当の最後として。
俺が消息不明の友人と何とか連絡を取ろうとしていた時、頼りにしていた奴がいた。

そいつは、友人と古くからの付き合いで、そいつならば、友人の居場所の見当もつくんじゃないか、俺はそう思ってた。

アパートから二度目の逃亡で、カプセルホテルに滞在中、そいつから携帯に電話があった。
「お前に嘘をついていたことを、まずは謝る。
実は俺はお前から友人のことを問われた時には、友人が自殺したことを知っていた。
車庫で首を吊っていたそうだ。
通夜の晩、俺は親御さんから呼ばれて、別室で話をした。




8以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:43:19.369 ID: /NEKwiG5a.net

親御さんは、自殺する理由がどうしてもわからない、とおっしゃる。
俺も、まったく思い当たることがない、と答えた。
すると親御さんは携帯電話を俺に見せた。友人の携帯電話だ。

握りしめたまま息絶えていたそうだ。
遺書らしきものなかった。もしかすると、この携帯になにかメッセージがあるのでないか。

そう親御さんは考えて、俺に確認してくれとおっしゃった。

俺はちょっと奇妙な感じがしたが、親御さんに機能と操作を説明しつつ、なかを見た。

録音もなし、メモもなし。
次に発信履歴を見た。
そこには、●●●という名前がずらっと並んでいた。全部不在だった。
友人は、多分、自殺する直前まで●●●に電話を掛け続けていたんだろう。
履歴のページがその名前で埋め尽くすまで。

さらに、着信履歴を見た。
お前の名前があった。
俺は正直に、親御さんに説明した。




9以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:44:03.096 ID: /NEKwiG5a.net

お前から友人に電話があり、しばらく会話した後、友人は●●●に電話を何度も掛けたがつながらなかった。

そして、友人は間違いを犯した。
その後、お前が友人に何度か電話を掛けた。とね。

親御さんに、お前のことと、●●●について聞かれた。俺は知っていることを全部教えた。

●●●は何のことかわからなかったから、わからない、と答えた…」


コンビニで待ちぼうけをくったあの晩に、すでに友人は自殺していたんだ。
●●●といえば、あの中華屋の店の名前。

そいつの話はまだ続いたが、もうどうでもよくなった。
ただ、この街にいるのは良くない。災いがやってくる。
だから、逃げることにしたんだ。
さようなら




10以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:44:41.652 ID: /NEKwiG5a.net

誰か解説よろ(^^)/




11以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:44:47.281 ID: CnAW3NE/0.net

全然わからん




12以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:45:10.234 ID: +xMoBrP9M.net

中華屋で食ったのはナポリタン




16以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:47:02.704 ID: n8CF7wie0.net

>>12
そういう事か




19以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:48:15.880 ID: xesfnTW40.net

>>16
どういうことだ?




22以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:50:30.416 ID: eplJaI740.net

>>19
ナポリタンは赤い
分かるな?




25以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:52:19.717 ID: xesfnTW40.net

>>22
うん




45以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:03:57.581 ID: DKtJm0lta.net

>>22
いやわからん




13以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:45:25.714 ID: 6LoFQvJ90.net

友人だけがおかしいなら未だしも893まで無関係の人物やっちゃってるしなんじゃこりゃ




14以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:46:02.742 ID: 6uNPpudbd.net

こええ




15以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:46:35.868 ID: V3aMh3ZAM.net

特に意味を感じない




17以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:47:24.398 ID: W9f4Lj6ua.net

中華屋でありがたく頂戴しますなんて言わない
俺はメリーさん




18以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:47:47.515 ID: 6LoFQvJ90.net

たぶん一つ考えられるのは「俺」がすでに精神的な疾患を抱えていて現実と幻が区別できてないことぐらいかなあ…
もし仮に「俺」が健常ならマジで分からん




20以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:48:24.535 ID: Rr4QL+o10.net

よくわからん




21以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:48:52.457 ID: jXRryNUma.net

(O_O) ゴクリ




23以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:50:51.572 ID: /ClqYAPLa.net

どこで因縁が付いたのかもなぜ食べるな家を出ろと言ったのかもわからん




24以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:51:41.035 ID: Qt+Pt4X6K.net

よく分からん ナポリタン系の創作じゃないのか




26以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:53:16.528 ID: AdnSQ4Kvd.net

なんでヤクザなん?




28以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:53:50.632 ID: d7cVcuNY0.net

全然わからん
おやすみ




29以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:54:17.559 ID: wphXCjogr.net

よくある意味不明な怖い話にしようとしたんだろうなあ
と言っておくよ




32以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:55:22.183 ID: kEJvrXYIH.net

書いた奴の頭が悪いということは解る




33以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:55:22.880 ID: /NEKwiG5a.net

H6ASpnJbOが災い続きで参っちゃって頼りにしてたやつの話最後まで聞かなくて核心の部分書いてないのがいけないのか




39以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)03:59:44.464 ID: dq2kcZe+a.net

・中華屋は893とつるんでいた
・中華屋はなんかやって893から逃げることにした
・店主は893から逃げるために主に折り詰めといって薬物かなんかを加工して渡した
・友人は実は893でその中華屋が893と繋がってることを知っていた
・主が貰った折り詰めがヤバいものだと確信した友人は893の追っ手から守るための忠告をした
・その後友人は誤解を解くために893に電話したが上手くいかず死んだ




42以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:02:16.715 ID: /NEKwiG5a.net

>>39
これっぽいな




51以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:12:00.491 ID: dDz85V5C0.net

>>39
なぜ「俺」に薬物をわたす必要があるのか




54以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:14:16.582 ID: DzyMpAtIx.net

>>51
最後に来た客なら誰でも良かったんだろ




40以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:00:26.328 ID: 9ul3qNSTa.net

仮にその折詰に毒なり睡眠薬なり盛ってあるとしたら別にお持ち帰りじゃなくその場で食い物に盛ればいいよな?
つまり渡した折詰にその店主・ヤクザ・友人みたいな限られたコミュニティにしか分からない意味が含まれていたんだと思う
「後を付けられてないか」にある通り折詰を受け取った段階で何らかの契約か約束事が成立していて後は拉致られたり殺されたりの悲劇が待っていたんだろう
台湾の赤封筒みたいに手にしてはならないタイプの贈り物なんじゃないかな




41以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:01:36.046 ID: Ab7e808/d.net

中華屋と迎えに来る友人が揉めてて友人が中華屋殺そうとして選んだ場所が主人公のアパート
しかし返り討ちにされた
ヤクザは友人が雇った殺し屋だけど依頼金払わないまま死んだからヤクザが取り立てにきた
友人は殺し屋に自分の家を主人公のアパートだと知らせてあった




43以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:02:39.878 ID: Qt+Pt4X6K.net

確かに折り詰め2つだけどさ そんなやり方したら薬品の価値がなくなるだろ




47以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:04:53.950 ID: 9ul3qNSTa.net

>>43
いやコカインみたいに固めたり不純物で偽装したりは普通にある
戻し方が確立してるタイプなら尚更




44以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:03:19.900 ID: Qf9FczbD0.net

折り詰めの下にヤバい袋でも入ってたんかね




46以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:04:08.953 ID: MXuOmoJ00.net

餃子、春巻き、唐揚げと全部中身が見えない系だったから中に人肉(ヤクザなら詰めた指)とかが入ってたとかそういう話かと思った




48以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:05:55.498 ID: DKtJm0lta.net

俺はクスリの運び屋をやってんのかと思った




49以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:06:57.922 ID: Qf9FczbD0.net

友達も関係あったんだろうね




55以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:14:32.991 ID: Qf9FczbD0.net

もし折り詰めの中に893絡みのものが入ってたとしたら
中華屋は足抜けしたかったんじゃないのかなあとか思った
だから最後の客に押し付けた




57以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:18:25.954 ID: /NEKwiG5a.net

893絡みに巻き込まれたくないもんだ…




59以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)04:43:51.069 ID: /ClqYAPLa.net

文中にヤクザ絡みを臭わす文面や中華屋の怪しい噂でもあれば察せたけど何もないしな




60以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)05:01:26.336 ID: DKtJm0lta.net

コンビニで待機中友人に電話したところ「こっちももうすぐ着く」と言っていたのに
携帯を握りしめたまま車庫で首吊ってたって事は、コンビニに向かってはいなかったの?




61以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)05:06:47.227 ID: 6/G/x5yl0.net

どっかの893と地下の井戸に人間を捨てに行く話も怖い




62以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)05:11:51.587 ID: /ClqYAPLa.net

>>61
帝国陸軍第十三号坑道か

これを書いたら、昔の仲間なら俺が誰だか分かると思う。
ばれたら相当やばい。まだ生きてるって知られたら、また探しにかかるだろう。
でも俺が書かなきゃ、あの井戸の存在は闇に葬られたままだ。だから書こうと思う。
文章作るの下手だし、かなり長くなった。
しかも怪談じゃないから、興味の湧いた人だけ読んで欲しい。

今から数年前の話。俺は東京にある、某組織の若手幹部に使われてた。Nさんって人。
今やそういう組織も、日々の微妙にヤバい仕事はアウトソーシングですよ。
それも組織じゃなく、個人が雇うの。警察が介入してきたら、トカゲの尻尾切りってやつね。
その代わり金まわりは、かなり良かったよ。

俺は都内の、比較的金持ちの日本人や外国人が遊ぶ街で働いてた。
日々のヤバい仕事っていうとすごそうだけど、実際に俺がやってたのは、ワンボックスで花屋に花取りに行って、代金を払う。
その花を俺がキャバクラから、高級クラブまで配達する。
キャバクラ行くと、必ず花置いてあんだろ?あれだよ。
で、花配りながら集金して回る。
もちろん、花屋に渡した代金の、3~5倍はもらうんだけどね。
3万が10万、5万が25万になったりするわけよ。月に3千万くらいにはなったね。

俺がやるヤバい仕事ってのは、最初はその程度だった。
それでも結構真面目にやってた。
相手も海千山千のが多いからさ。
相手が若僧だと思うと、なめてかかって、値切ろうとするバカもいるんだよね。
その度に暴力沙汰起こしてたんじゃ、仕事になんないわけだ。起こす奴もいるけど。
でも警察呼ばれたら負けだからね。次から金取れなくなるから、組から睨まれる。タダじゃすまんよ。
そういう時、俺は粘り強く話す。話すけど、肝心なトコは絶対譲らない。
一円も値切らせないし、ひとつの条件もつけさせない。

前置き長くなったけど、まあうまくやってるってんで、Nさんの舎弟のSさん、Kさんなんかに、結構信頼されるようになった。
それで、時々花の配達に使ってるワンボックスで、夜中に呼び出されるようになった。
積んでるのは、多分ドラム缶とか段ボール。

荷物積む時は、俺は運転席から出ない事になってたし、後ろは目張りされてて見えないから。
それで、ベンツの後ろついてくだけ。
荷物を下ろしたら、少し離れたところで待たされて、またベンツについて帰って、金もらって終了。
何を運んでたなんて知らない。
その代わり、1回の仕事で、花の配達の1ヶ月分のバイト代をもらえた。

ある夜、また呼び出された。
行ってみると、いつもとメンツが違う。いつもはSさんかKさんと、部下の若い人だった。
ところがその日は、幹部のNさんがいて、他にはSさん、Kさんの3人だけ。
3人とも異様に緊張してイラついてて、明らかに普通じゃない雰囲気。
俺が着いても
「エンジン切って待ってろ」
って言ったまま、ボソボソ何か話してた。

「…はこのまま帰せ」
「あいつは大丈夫ですよ。それより…」

途切れ途切れに会話が聞こえてたけど、結局俺は運転していく事になった。何だか嫌な予感がしたけどね。
後ろのハッチが開いて、何か積んでるのが分かった。
でも今回は、ドラム缶とか段ボールじゃなかった。
置いた時の音がね、いつもと違ってた。重そうなもんではあったけど。
更に変だったのが、SさんとKさんが同乗した事。
いつもは俺一人でベンツについてくだけなのに。
しかも、いきなり首都高に入った。
あそこはカメラもあるし、出入口にはNシステムもあるから、こういう仕事の時は、一般道でもNシステムは回避して走るのに。
首都高の環状線はさ、皇居を見下ろしちゃいけないとかでさ、何ヵ所か地下に入るよね。
恥ずかしながら、俺は運転には自信あるけど、道覚えるのは苦手なんだよね。方向音痴だし。

多分環状線を、2周くらいしたと思う。
車が途切れたところで、突然Nさんが乗るベンツが、トンネルの中で、ハザード出した。
それまでSさんもKさんも、ひと言もしゃべらなかったけど、Sさんが
「右の車線に入って止めろ」
って。言われるままに止めたよ。そこって合流地点だった。

「中洲みたいになってるとこに、バックで車入れろ」
って言うから、その通りにしてライト消した。

両側柱になってて、普通に走ってる車からは、振り返って見たとしても、なかなか見つけられないと思う。
まあ見つけたとしても、かかわり合いにならない方が良いけどね。
Nさんが乗ったベンツは、そのまま走り去った。
SさんとKさんは、二人で荷物を下ろしてたけど、俺にも下りて来いって。
俺はこの時も嫌な予感がした。今まで呼ばれた事なんて無かったし。
SさんとKさんが、二人で担ぎ上げてるビニールの袋。
映画とかでよく見る、死体袋とかいう黒いやつ。もう中身は、絶対に人間としか思えない。
とんでもない事に巻き込まれたって思って、腰が痛くなった。多分腰抜ける寸前だったんだろう。
何で組の人じゃなくて俺なの?ってその時は思ったけど、その理由も後になれば分かったんだけど。

で、Sさんが
「ポケットに鍵があるから、それ使って、金網の扉の鍵開けろ」
って言うから、言う通りにした。
金網開けて5~6メートルで、また扉にぶつかる。
扉というより、鉄柵って感じかな。だって開ける為の把手とか無いし、第一鍵穴すら見当たらない。
どうすんだろうな~と思ったら、またSさんが別のポケットを指定。
今度は大小ひとつずつの鍵。コンクリの壁にステンレスの小さい蓋が付いてて、それを小さい方の鍵で開ける。
中に円筒形の鍵穴があって、それは大きい方の鍵。
それを回すと、ガチャって音がして、柵が少し動いた。
右から左に柵が開いた。壁の中まで柵が食い込んでて、その中でロックされてる。
鍵を壊して侵入は、出来ない構造らしい。

更に先はもう真っ暗。マグライトをつけて先に進んだけど、すぐに鉄扉に当たった。
「無断立入厳禁防衛施設庁」って書いてあった。
これは不思議だった。だってここ、道路公団の施設だよね?
ていうか、こんなとこ入って平気なのかな、って思った。

まあこの人たちのやる事だから、抜かりは無いとは思うんだけど、監視カメラとかあるんじゃないのって、不安になった。
まあ中に進んだら、もっと不思議なもんが、待ってたんだけどね。
鉄の扉も、さっきの鉄柵と同じ要領で開いて、俺たちは中に入った。

SさんもKさんもうっすら汗かき始めてて、随分重そうだったけど、運ぶの手伝えとは言わなかった。
中に入るとすぐ階段で、ひたすら下に下りて行った。結構下りた。
時々二人が止まって、肩に担ぎ上げた「荷物」を担ぎ直してた。

階段を下りると、ものすごく広い通路が左右に伸びてた。多分幅10mくらいあったと思う。
下りたところで、ひと休みした。
通路はところどころ電灯がついてて、すごく薄暗いけど、一応ライトは無しで歩けた。
俺たちは反対側に渡って(って言いたくなるくらい広い)、左手に向かって進んだ。

時々休みながら、どれくらい進んだかな。
通路自体は分岐はしてない。ひたすら真っ直ぐで、左右の壁に時々鉄の扉がついてる。
ある扉の前でSさんが止まって言った。

「これじゃねえか。これだろ」

そこには「帝国陸軍第十三号坑道」って書いてあった。字体は古かったけど。
信じられる?今の日本にあるのは陸上自衛隊でしょ。何十年も前のトンネルなのか、これは?
SさんもKさんも、汗だくで息も荒くなってたから、扉を入ったところで、また「荷物」を下ろして休憩する事にした。
二人とも無言だったから、俺も黙ってた。
しばらくして、Sさんが
「そろそろ行こう」
って言って、袋の片側、多分「足」がある側を持った。そしたら…
「袋」が突然暴れた。
Sさんは不意を突かれて手を放してしまい、弾みで反対側の袋の口から、顔が出てきた。
猿ぐつわを噛まされた、ちょっと小太りの男。
どっかで見たことある…
それもあるけど、分かっていながらも、袋からリアルに人が、しかも生きた人が出てきた事にビビッて、俺は固まってた。
SさんがKさんに
「おい何で目を覚ました!」
「クスリ打てクスリ!」
「袋に戻せ!」
とか言ってるのが聞こえた。
Kさんは
「クスリは持って無い」
とか、何とか答えてた。
その間も「袋」は暴れてた。
暴れてたというか、体を縛られてるらしく、激しく身をよじって、袋から出ようとしていた。

するとSさんが、袋の上から腹のあたりを、踏んづけるように蹴った。
一瞬「袋」の動きが止まったけど
「ウ~!」
とすごい唸り声を上げながら、また暴れ出した。
Sさんは腹のあたりを、構わず蹴り続けた。それでも「袋」は、暴れ続けた。
やがてKさんも加わって、二人で滅茶苦茶に蹴り始めた。
パキって音が、2、3回立て続けにした。多分肋骨が折れたんだと思う。

「袋」の動きが止まった。その時なぜか男は頭を振って、俺に気が付いた。
それまですごい形相で、暴れていた男が、急に泣きそうな顔で俺を見つめた。
Sさんが
「袋に戻せ」
と言うと、Kさんが男の肩のあたりを足で抑えながら袋を引っ張って、男を中に戻した。
今でもその光景は、スローモーションの映像のまま、俺の記憶に残ってる。
男は袋に戻されるまで、ずっと俺を見てた。一生忘れられない。

Kさんが、袋の口をきつく縛るのを確認すると、Sさんは更に数回、袋を蹴った。
「これくらいかな。殺しちゃまずいからな」
Sさんはそう言って、俺を見た。
「お前、こいつの顔を見たか」
「いえ…突然だったんで、何が何だか」

そう答えるのが精一杯だった。
その時に、本当はどこかで見たような気がしたけど、思い出せなかった。

SさんとKさんは、再び動かなくなった「袋」を担ぎ上げた。
それまでと違うのは、真ん中に俺が入ったこと。
もう中身を知ってしまったので、一連托生だ。

それから、その13号坑道ってやつを延々歩いた。
今までの広い通路とはうって変わって、幅が3mも無いくらいの、狭い通路だった。
右手は常に壁なんだけど、左手は時々、下に下りる階段があった。
幅1mちょいくらいの階段で、ほんの数段下りたところに、扉がついてた。

何個目か分かんないけど、Sさんがある扉の前で
「止まれ」
って言った。
そこもまた「帝国陸軍」「帝国陸軍第126号井戸」って書いてあった。
(128だったかも。偶数だった記憶があるけど忘れた)
それで、Sさんに言われるまま中に入った。

中は結構広い部屋だった。小中学校の教室くらいはあったかな。
その真ん中に、確かに井戸があった。でも蓋が閉まってるの。重そうな鉄の蓋。
端っこに鎖がついてて、それが天井の滑車につながってた。
滑車からぶら下がっている、もうひとつの鎖を引いて回すと、蓋についた鎖が徐々に巻き取られて、蓋が開いてく仕掛けになってた。
オレは言われるままに、どんどん鎖を引っ張って蓋を開けていった。
完全に蓋が開いたとこで、二人が「袋」を抱え上げた。
もう分かったよ。この地底深く、誰も来ない井戸に投げ込んでしまえば、二度と出てこないもんね。
でもひとつだけ分からない事があった。なんで「生きたまま」投げ込む必要があるの?

二人は袋を井戸に落とした。ドボーン!水の中に落ちる音がするはずだった。
でも聞こえてきたのは、バシャッて音。この井戸、水が枯れてるんじゃないの?って音。
SさんとKさんも顔を見合わせてた。
Sさんが俺の持っているマグライトを見て、顎をしゃくってみせ首を傾げて「井戸を覗け」ってジェスチャーをした。

マグライトで照らしてみたけど、最初はぼんやりとしか底まで光が届かなかった。
レンズを少し回して焦点を絞ると、小さいけど底まで光が届いた。
光の輪の中には、「袋」の一部が照らし出されてる。
やっぱり枯れてるみたいで、水はほとんど無い。
そこに手が現れた。真っ白い手。さらにつるっぱげで、真っ白な頭頂部。
あれ、さっきの「袋」の人、つるっぱげじゃ無かったよな。
ワケが分かんなくて呆然と考えていたら、また頭が現れた。
え?2人?ますます頭が混乱して、ただ眺めてたら、その頭がすっと上を向いた。目が無い。
空洞とかじゃなくて、鼻の穴みたいな小さい穴がついてるだけ。
理解不能な出来事に、俺たちは全員固まってた。
しかも2人だけじゃ無さそうだ。奴らの周囲でも、何かがうごめいている気配がする。
何だあれ?人間なのか?なぜ井戸の中にいる?何をしている?

その時、急に扉が開いて、人が入ってきた。
俺は驚いてライトを落として、立ち上がってた。SさんとKさんも。
入ってきたのはNさんだった。Nさんは俺たちを見て、怪訝そうな顔をした。
「S、もう済んだのか」
Sさんは少しの間呆然としていたけど、すぐに答えた。
「済みました」
Nさんは俺たちの様子を見て、俺たちが井戸の中身を見た事を悟ったみたいだった。
「見たのか、中を」
俺たちはうなずきもせず言葉も発しなかったが、否定しないことが肯定になった。
「さっさと蓋閉めろ」
言われて俺は、慌てて鎖のところに行って、さっきとは反対側の鎖を引いて回した。
少しずつ蓋が閉まっていく。

「余計な事を考えるんじゃねえ。忘れろ」
そう言われた。

確かにそうなんだけど、ぐるぐる考えた。
「殺しちゃまずい」って、Sさんは言ってた。
Sさん自身も、なぜ殺しちゃだめなのか知らなかったんだと思う。
生きたまま落とした理由は?生きたまま…あの化け物のような奴らがいるところへ。

考えたく無くなった。

俺たちは来た道を戻り、車で道に出た。
今度はSさんとKさんは、Nさんのベンツに乗っていった。
そしてそれが、3人を見た最後になった。

俺は思い出していた。あのとき「袋」に入っていた男の顔を。
最近出所してきた、会長の3男だった。
出来の悪い男というウワサだった。ケチな仕事で下手を踏み、服役していたらしい。
俺は2、3回しか顔を合わせた事が無かったが、大した事無さそうなのに、威張り散らしてヤな感じだったのを覚えてる。
だからといって、会長の息子を殺すのはアウトだよ。死体を隠したっていずれバレる。
それでも出来るだけバレないように、俺を使って運んだんだろうけど。

あの出来事から2週間くらいして、Nさんが居なくなった。
「お前も姿をくらませ」って、Sさんから電話があった。
バレたんだ。会長の息子を殺ったのを。
組から距離をおいていたのが幸いして、俺は逃げ延びる事ができた。
SさんやKさんがどうなったのかは知らない。
あれから数年、俺は人の多い土地を転々としている。
これはあるネットカフェで書いた。

もうすぐネットカフェも、身分証を見せないと書き込めなくなるらしい。これが最後のチャンスだ。
組の人たちがこれを知れば、どこから書いたのか、すぐに突き止めると思う。
だから俺は、この街には二度と戻ってこない。

誰かあの井戸を突き止めて欲しい。なぜあの井戸に、暴力団なんかが鍵持って入れるのか。
そうしたら俺の追っ手は、皆捕まるかも知れない。
俺は逃げ延びたい。これからも逃げ続けるつもりだ。

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65以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします2019/09/14(土)05:18:35.387 ID: uJimF/7G0.net

その折り詰めは次はあなたの元へと回ってくるかもしれません…




引用元:この893怖い話がよくわからない