1:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)02:45:31 ID:GK6
5:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)02:48:44 ID:ejg
8:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)02:51:04 ID:GK6
たしかにそうかも、個人的には学者になってほしいなあアニメ専門の
6:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)02:50:13 ID:GK6
初めて会ったのは今年4月
高校に入学してすぐの俺は、部活に入りたくなかった。けれど決まりで何かしら部活しなきゃいけなかった
幽霊部活みたいなのねえかなと探していた俺はある部活を見つけた。
不活発部活の代名詞、アニメマンガ研究会だ。
9:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)02:54:56 ID:r7X
11:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)02:55:22 ID:GK6
野郎だぞ
10:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)02:55:07 ID:GK6
部屋をノックすると反応がない。今日休みかと思ったら中から戸が開いた。むっちりしたデブ特有の手だった。
誰?と微妙に不愉快そうな曇った声、ちょっと吃音ぽかった。まるく脂ののった顔をしていていかにもだった。
14:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:00:45 ID:lPS
16:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:02:00 ID:GK6
そしたらまるい無愛想な顔がちょっと驚いて、それからちょっとうれしそうな、でも顔に出すのを我慢しているようなそんな顔になった。
入って、と言われてひんやりして湿っぽい部屋に入った。そしてびっくりした。
部屋は壁にびっしり本棚があって、ラノベと漫画がこれまたぎっしり。威圧感さえ感じた。
俺を入れてくれたデブ(先輩と書く)は椅子を用意してくれた。ボロボロの椅子だった。それに座ると早速先輩は「マンガとか読むの?」って聞いてきた。
17:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:02:48 ID:MGO
19:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:11:04 ID:GK6
しゃーねーな事実だし
18:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:10:45 ID:GK6
先輩「王道だねー、ワンピはどこが好き?」
俺「空島です、ダイヤル大好きなんで」
先輩「良いよねーあれ、コニスちゃんがバズーカ使うとこ大好き」
そして先輩はおもむろに立ち上がると本棚からワンピースを抜き出してパラパラとめくって開いた。
これこれ、と見せてきたのはフレイムバズーカ(だったよな?あのガス出してから着火するやつ)のシーン
なにげない感じでやってきたけど俺は後でぞっとした。
先輩は何巻にそのページがあるか分かっていた。
24:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:16:51 ID:GK6
先輩は語ると止まらなくなるタイプのようで饒舌にしゃべった。ここまでテンプレアニオタだと逆におかしくなるくらいだった。
先輩「じゃあアニメはあんま見てないのかー」
俺「中学のときとか部活やってて時間が合わなくてー」
先輩「部活かー青春だねー」
俺「これも部活じゃないっすか」
先輩「それもそうか」
俺(何だろうこの濃厚な非リア臭)
先輩「そういやアニメってみるの豚鼻くん?」
27:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:19:53 ID:VDe
自分がそこまで興味なかったらそんな強い記憶はしないだろうし
31:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:24:04 ID:GK6
なるほど、そんなもんか…
28:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:20:12 ID:CSA
31:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:24:04 ID:GK6
良いもんだと思う、アニオタバカにしてたけどまるっきりイメージ変わった
30:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:22:21 ID:GK6
先輩「まあねー、どこが好き?」
俺「アスナちゃんかわいいっすねー」
先輩「あーなるほどー」
先輩「萌えもいいけどねー、あれ結構面白く見れるんだよー」
俺「そうなんすか?」
先輩「Pohっていたじゃん、あのラフコフのリーダー」
俺「ああ居ましたねー」
先輩「あの人なんか面白いんだよ」
俺「そうなんですか?」
先輩「あの人はねーリアルとネットの狭間に生きてる人なんだ」
36:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:33:17 ID:GK6
俺「え?」
先輩「アインクラッドに閉じ込められちゃった人らってさ、極めてあいまいな場所に生きなきゃいけなくなったわけ」
先輩「ゲームなんだけどリアルの感覚そのまま持ってきちゃってる。現実とゲームの境目が分からなくなってなんたらっての聞いたことあるでしょ?」
先輩「で、大抵の人はどうしたかって言うと、ゲームの世界に完全に適応しちゃうか、ゲームを拒否して初めの街に居残るかとっちかだったわけ」
俺「はあ」
なんか訳が分からんかった。けど情熱的に語る先輩の言葉(相変わらず吃音ぽかった)はなぜか覚えている。
先輩「そこでどっちでもない選択をしたのがPohさんなんだ」
俺「そうなんですか?」
先輩「そうそう、ゲームオーバーしたら死ぬっていう極限のゲームで、あえてPKする、人を殺す」
先輩「それってゲームへの適応でも、ゲームへの拒否反応とも違う反応なんだよ」
俺「ゲームに飲まれたとかじゃないんですか」
先輩「飲まれてるのはむしろ主人公たちだよね、ゲームを受け入れてクリアすることに躍起になってる」
先輩「Pohはそうじゃない。ゲームの中で殺人する、そしてそれは現実の殺人になる」
先輩「彼って殺しながら何を考えてたんだろうね?」
32:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:24:55 ID:lPS
37:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:33:56 ID:GK6
ぶっちゃけほとんど見ない、先輩のおかげで少しずつ観るようになってきた
39:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:38:58 ID:h6g
42:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:40:34 ID:GK6
先輩「そういう見方をすると面白いんだ、それでね」
先輩「そういう見方でアニメを見てみようかっていうのがこの部活なんだ」
えー…って思った。なんだそりゃそんな難しいこと考えながらアニメ見るのかよと。
先輩「まあもし気に入ってくれたら入って。ダメなら他のとこ入ったほうがいいよ、美術部とか緩いからおすすめ」
そんなことを言ってその日はお開きになった。外はもう真っ暗になっていた。
43:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:42:29 ID:MGO
なんつう部活やw
49:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:49:48 ID:GK6
まあ変な部活だな、俺は楽しんでるけども
44:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:42:45 ID:MGO
45:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:45:28 ID:X1s
楽しいよなそういうのな
めっちゃわかるよ
人には言わないけどさ
49:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:49:48 ID:GK6
最近楽しさがわかってきた、良いもんだなと思う
47:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:48:17 ID:GK6
意識高い系ってやつだろうか、あの印象派がどうのロマン派がどうのって言うのが大嫌いだった。
そんなこんなでアニメ・マンガ研究会に俺は入部した。活動計画みたいなのに出席してた連中は、いざ部活が始まるとマンガを読みに来るだけになった。
俺も最初マンガ目当てで部室に通った。先輩(なんと部長だった)はいい顔こそしなかったけど怒るようなことはなかった。たまーにアニメの自論を語ってうざがられてる程度だった。
そんなある日のことだった。先輩はいつになくでかいマンガを広げて読んでいた。なんだろうと思って覗き込むと、風の谷のナウシカだった。
48:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:49:19 ID:X1s
50:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:51:01 ID:MGO
52:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:55:56 ID:GK6
俺は知らなくてめちゃくちゃ驚いた。
俺「原作ってことっすか?おもしろいんですかそれ」
先輩「考える分には楽しいねー」
俺「読んでいいですか俺も」
先輩「いいよ、そこの棚にある」
本当にでかい漫画だった。しかもいろいろボロボロで年代ものっぽかった。面白くなかったらやめようと思っていた。
先輩「そろそろ帰ろう、部室しめるから」
は?とおもって壁かけの時計をみると6時過ぎだった。俺は2時間近くナウシカを読んでいた。自分でもびっくりした。
いつもの俺ならお菓子か飲み物がないと絶対飽きるところだったから。
54:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)03:58:23 ID:4IV
56:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)04:05:35 ID:GK6
オタがこういう話できる場所が必要だよな…絶対萌えばっかでアニメ語るより面白い
55:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)04:04:46 ID:GK6
すさまじい話だよね。と
俺はうなずいた。なんか言葉にできなかった。
そのまま先輩は語り始めた。ナウシカってちょっと俺らに似てるとこもあるよね、と
先輩「ナウシカ達ってさあ、誰かに勝手に作られて誰かのために勝手に生かされてる訳じゃん」
先輩「勝手に作って勝手に生かしておいて、後でポイするって」
先輩「俺らの親とか先生とかに、そういうもん感じるんだ俺は」
納得できるような気がした。先輩は「まあ反抗期だからこんなこと考えるのかも」と言って笑った。
61:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)04:13:29 ID:GK6
わかる…駿ってなんかどっかに闇抱えてるよなぁ
63:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)04:17:16 ID:X1s
初期の駿は闇を前面に押し出してたけどどっかでその暗さが唐突に消えた
64:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)04:19:16 ID:lPS
たぶん、老いたからだと思うんだよな
死に近づくとなんだかそういうの消えそうだ
61:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)04:13:29 ID:GK6
うはwwwそっくりwwwww
先輩に見せに行っていいか今度wwww
59:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)04:12:04 ID:GK6
でもなんか、違う。人間の醜さとか、それに立ち向かったり受け入れたり逃げたりする人たちの話がナウシカの本当のテーマだと思った。
先輩「じゃあここで部活っぽいこと話すんだけど」
俺「はい」
先輩の話をこんなに聞きたいのは初めてだった。
先輩「ナウシカたちを作ったひと、つまり本当の人間たちってどんな考えだったんだろう?」
俺「汚れた世界を綺麗にさせて自分たちは復活!っていう流れじゃありませんでしたっけ」
先輩「もちろんその線がこの物語のメインなんだけども」
先輩「多分そこに至るまでなにかいろんなこと試してたような気がするんだよねー」
65:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)04:26:30 ID:GK6
先輩「ひとつは浄化装置としての蟲と腐海、一応ナウシカたちはここに入る」
先輩「もう一つは裁定者の巨神兵」
先輩「もう一つはセラミックと、それを加工する技術」
先輩「これってみんな違う人々が作ったんじゃないかって思うんだ」
俺「そうなんですか?」
先輩「たぶんねー、まず流れとしては、どうしようもなくなった人類を裁定者のてにゆだねようって一派。
もち巨神兵が世界を焼き尽くすなんてことは考えもしなかった。あくまで敵を殺そうとしてたひとたち、いわば軍人」
先輩「それから、蟲と腐海植物とシュワの墓所を作った人たち。これは科学者とか研究者とか」
先輩「それからセラミックを作った人たち。これは多分ずーっと続いてて、そこからさっきの二つが分かれたんだと思うんだけど」
先輩「セラミック派はどうしようもなくなった地球を捨てて宇宙を目指した。」
68:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)04:38:20 ID:GK6
先輩「たぶん宇宙に脱出した人たちの宇宙船。どっかで事が終わるまでやりすごそうと思ってどっか行ってて、戻ってきたら腐海が絶賛浄化中、毒に耐えられなくてアウト」
俺「救いようないっすねー」
先輩「墓所も潰されて、本物の人間は本当に全滅ってわけ」
俺「なるほどー」
先輩「面白いでしょ?こう考えたらさ」
俺「面白いっす!」
こんな感じで、おれはすっかりこの部活にはまった。以来部活をやってる日は必ず部活に行って部長と話す。
それから部長の、一応ちゃんと部活やってますよっていう書き物をちょっと手伝ったりする。
(アニメに関する考察とか。文化祭で文化部の作品の隅っこに入れてもらう。そうすることで部活を存続させてもらってるらしい)
まあこんなかんじで、変わり者だけど熱心な先輩のおかげで、アニメもマンガもぐっと楽しめるようになってきてる。
以上こんなとこ、終わりだけど質問とかあれば受け付けるゾイ
71:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)04:40:47 ID:GK6
先輩もあのセリフ大好きらしい、なんか勇気づけられるよな
72:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)04:41:23 ID:gWO
あのセリフのためにあるような漫画だと思う
73:名無しさん@おーぷん:2015/07/20(月)05:15:11 ID:8zQ
こういう考察する奴はどんどん増えるべきだな
ブヒブヒ言う萌え豚が増えすぎた
74:名無しさん@おーぷん:2015/07/21(火)04:02:53 ID:lbL
先輩から夏休みの宿題みたいの出されたんだけどVipper力貸してー
75:名無しさん@おーぷん:2015/07/21(火)04:08:29 ID:lbL
攻殻機動隊(古いほうの劇場版)とその原作士郎正宗の漫画を比較して、押井守が劇場版で言いたかったことを考えてみよう
ってやつ、俺が大まかなとこ書いて、先輩が修正してくれるらしい
78:名無しさん@おーぷん:2015/07/21(火)04:14:17 ID:lbL
観た!最初の感想?みたいのは、体を機械に置き換えていったときに、
自分っていうものをどう証明すればいいんだろう?っていう事かなと思ったんだけど
79:名無しさん@おーぷん:2015/07/21(火)04:16:37 ID:boC
とりあえずあれだ、もっと他の押井作品見ないとなんとも
イノセンスあたりで攻殻の答えの一つみたいなの出てきてるぞ
80:名無しさん@おーぷん:2015/07/21(火)04:18:20 ID:lbL
イノセンスか、わかったサンキュー!
ちなみにうまくいったら文化祭に使ってもらえるらしい、頑張らねば
81:名無しさん@おーぷん:2015/07/21(火)04:20:47 ID:AKA
ちゃんと文化部しとる
82:名無しさん@おーぷん:2015/07/21(火)04:22:11 ID:lbL
部活がというより先輩のワンマンだけどねー
とにかく先輩がなんというかアクティブなオタクだわ
84:名無しさん@おーぷん:2015/07/21(火)04:28:44 ID:AKA
でも本来のあるべき姿って感じだw
いい部活というか、いい先輩に恵まれたなー
感想や考察に正解なんてないのだから、間違わないようにするんじゃなく、
自分が感じたことを言葉にする方に注力した方がいいぞ
正解当てクイズだと思ってると、作品そのものを楽しめなってしまうよ
86:名無しさん@おーぷん:2015/07/21(火)04:35:13 ID:lbL
ほんとだわ、良い先輩をもてたと思う
そうなんだよなー先輩もたまにすごく突飛なこと言うから、そういう視点もつともっと楽しいんだろうなと思う
85:名無しさん@おーぷん:2015/07/21(火)04:28:52 ID:VSB
俺は押井守は難解でなぁ
素子さんカッケーとかタチコマかわえーとか、そんな楽しみ方しかしてないや
86:名無しさん@おーぷん:2015/07/21(火)04:35:13 ID:lbL
萌えアニメもたくさん見てるから硬派ではない(断言)
きんもざは最高の癒しっていってたし
87:名無しさん@おーぷん:2015/07/21(火)04:53:29 ID:YeR
小中高大と広がっていったコミュニティーが、社会人になると一気に狭まったりするし、そうすると考え方や付き合う人間も偏ってくるから、その偏った中でも幅の広い考え方が持てる人間と付き合うと楽しいんだよ
引用元:アニオタの先輩がすごい奴かもしれない








