1:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:45:37.63 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくは彼女とよく話した
一緒にお昼を食べて、一緒に勉強をして、1年生の夏休みに一緒に花火を見に行った
2:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:46:54.23 ID:NWjmv6xd0.net
2人で飲み慣れない酒を飲み、真っ赤になった顔を笑いあった
その日の別れ際、あしたになったら覚えてない、とか言わないでね
彼女はそう言ってニコニコしながら人ごみに消えていった
4:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:47:21.52 ID:NWjmv6xd0.net
バレないように横を通り過ぎようとしたけど見つかって2人そろって散々な質問攻めにあった
5:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:47:54.96 ID:NWjmv6xd0.net
オムライスが食べたいというのでつくってあげた
ケチャップで彼女の名前をかいたら彼女は大喜びしていた
食べ終わると、ぼくたちに沈黙が訪れた
6:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:48:16.64 ID:NWjmv6xd0.net
彼女もぼくの目をじっと見ていた
外はいつの間にか暗くなっていたけど、部屋の電気はついていなかった
ぼくらは最初のキスをした
7:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:48:44.30 ID:NWjmv6xd0.net
映画を借りてきて昼間から缶ビールを飲んだ
彼女が今日は泊まっていくと言ったあとは、映画の内容なんてほとんど入ってこなかった
9:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:49:18.55 ID:NWjmv6xd0.net
彼女は痛がったことを申し訳なさそうにしていて、他にできることをしたいと申し出た
狭いシングルベッドの上でお互いの肌の感覚を楽しみながら眠った
10:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:50:30.12 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくがクシャミをすると彼女は風邪ひいたんじゃない?と小さな声で言って笑った
11:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:51:04.11 ID:NWjmv6xd0.net
さすがに気が利かなさすぎるだろうかと思って、イルミネーションを見に行こうと誘ったこともあったど、彼女は寒いから嫌だと言った
だからぼくらはクリスマスも近所のスーパーで買い物して家でゆっくりケーキを食べただけだった
でもその日は、ぼくらが初めてひとつになれた日になった
12:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:51:38.39 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくが急いで謝ると、幸せだと言って目を潤ませたまま微笑んだ
ぼくは意味が分からんと笑って彼女を抱きしめた
13:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:52:26.77 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくの誕生日にはぼくの好きなバンドのライブチケットをもらった
ぬるま湯のような幸せな日々に浸かりきっていて、ぼくは知らず知らず調子に乗っていた
14:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:53:11.31 ID:NWjmv6xd0.net
高校時代に憧れていた先輩だった
ずっとアタックを続けた結果、卒業式の直前に1ヶ月だけ付き合ってくれて、ぼくを男にしてくれた人だった
何度かメールのやり取りをするうちに、会う約束を取り付けてしまっていた
15:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:53:41.69 ID:NWjmv6xd0.net
先輩が予約してくれていた店はオシャレなカフェのような雰囲気の店で、ビールが1000円する店だった
先輩と高校時代の思い出話をしながら、薄暗い照明の中で彼女と違う長い髪や、深い黒をした瞳、厚い唇、そしてふっくらとした胸に意識を奪われていった
16:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:53:45.81 ID:IVTjTGSc0.net
18:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:54:18.91 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくが頷くと先輩は子どものように喜んで、ぼくの腕をとって歩き始めた
一瞬頭の中でもう1人のぼくが、こんなところを誰かとに見られたらどうするんだと咎めたが、鼻先を先輩の髪の香りにくすぐられ、なんかもうどうでもよくなった
19:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:55:27.95 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくは繋いでいた手を離し、先輩を見た
先輩はぼくの方を見ないまま、
彼女と別れて私と付き合ってよと言った
20:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:56:04.23 ID:NWjmv6xd0.net
酔いは完全に醒めていた
電車に乗ってから携帯を確認すると、何も知らない彼女からバイトが終わったと報告のメールがきていた
ぼくはおつかれ、と返事をして携帯をしまった
21:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 00:58:45.57 ID:NWjmv6xd0.net
幸か不幸か、彼女は女の勘というものが鋭くなかった
なんとなくよそよそしいぼくを責めることなく、自分の行動ばかり省みていた
22:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:02:30.98 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくが一度でも不満を口にしたことについて全て改善しようとしているようだった
先輩とは告白の返事をせぬままに、なんとなく連絡を続けていた
24:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:08:06.96 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくはもう一度先輩と会う約束を取り付けていた
今度はお酒を飲まず、ちゃんと断ろうと思っていた
25:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:14:04.14 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくは一度断ったが、先輩はぼくの返事が分かっていたのか
最後のお願いだから
と強く主張して、ぼくが折れる形になった
26:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:17:22.10 ID:NWjmv6xd0.net
先輩が部屋に来た
いつも彼女とぼくしかいない部屋に違う女の人がいることがとても変な感じだった
先輩がシュークリームを買ってきてくれたので、ぼくはコーヒーをいれた
2人でなんとなくテレビを見ていたがCMになったとき、ついに先輩が切り出した
27:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:20:30.08 ID:NWjmv6xd0.net
先輩はコーヒーカップから目を離さずにそう言った
ぼくは、ごめんなさいと言って
ぼくよりいい人は山のようにいますよと続けたが
先輩はかぶせるように、いないよ、と言ったのでびっくりした
28:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:22:31.14 ID:NWjmv6xd0.net
それから先輩は何も言わず、ただ長い髪を弄んでいた
ぼくはどうしたら良いのか分からず、早く帰って欲しいと思っていた
29:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:26:51.53 ID:P7Surg3T0.net
30:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:27:02.96 ID:NWjmv6xd0.net
なんで?
ぼくは一瞬なんのことだか分からなかったが、すぐに用意していた答えで対応できると気づき、タイミングが悪かったです、先輩は悪くないですと言った
32:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:32:03.50 ID:NWjmv6xd0.net
駅まで送りますと申し出たが、先輩はいらないと言った
先輩が靴を履いて扉をあけたとき、もう一度謝ろうとしたら先輩が振り返ってぼくを抱きしめた
33:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:35:40.10 ID:NWjmv6xd0.net
先輩は抱きついていた腕をほどいて、潤んだ目でぼくを見つめた
高校時代ぼくを夢中にさせた先輩の瞳にぼくは釘付けになってしまった
35:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:38:21.36 ID:NWjmv6xd0.net
玄関先で先輩を抱きしめて、貪るようにキスをした
激しく舌を絡ませながら、もう1人のぼくは冷静に彼女はバイトだから23時までは大丈夫だな、と思っていた
37:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:41:21.58 ID:NWjmv6xd0.net
やっぱり変な感じがした
経験を積んだぼくが高校時代とは違うセッ●スが出来るようになっていたことに、先輩は満足気だった
39:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:47:13.81 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくはベランダに出て電話に出た
バイト先でしつこいナンパにあったと言っていたのが少し嬉しそうに聞こえて、なんとなく不愉快だった
とりあえず心配した風なことを言って、飲みすぎたからしんどいと告げて電話を切った
40:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:48:58.02 ID:NWjmv6xd0.net
41:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:53:42.65 ID:NWjmv6xd0.net
ズルいのは先輩だとぼくは言った
そのまま先輩は泊まっていったが、ぼくが目を覚ましたときには先に起きてバイトがあると言って帰ってしまっていた
皮肉なほど清々しい青空が広がっていた
42:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:57:49.36 ID:dRnHh+uE0.net
「来週の焼きそば祭りは来るのかな?」とぼくが毎年楽しみにしていた焼きそば祭りのことを覚えていて、
もう会ってはいけないと思いながらも、
焼きそば祭りは地元で別名喧嘩祭りと呼ばれているぐらいの荒々しさで、
焼きそばは全く出てこないのだが、人数が多ければその年の栄誉となるので
参加しない訳にはいかなかった。
45:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:01:11.11 ID:wEIIdAXj0.net
不覚にもわろたw
44:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 01:58:11.50 ID:NWjmv6xd0.net
ベッドのシーツも全部洗濯したし、ゴミはコンビニまで捨てにいったし、ゴムも買い足した
46:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:03:33.83 ID:NWjmv6xd0.net
彼女は料理教室で習ったメニューを再現するといってキッチンに立っていた
後ろ姿を見るだけで、奮闘しているのが分かり愛おしいと思った
肩越しに何をしているのか見ようとしたが、恥ずかしいからあっちに行っててと言われた
47:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:07:15.26 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくが好きな鯵づくしのメニューができあがっていた
魚を三枚におろせるようになった!とか臭みはとれてるかとか、楽しそうに話す彼女を見ながらぼくも楽しくなっていた
48:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:10:24.78 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくの下で何も知らずに喘ぐ彼女を見て、今更ながら罪悪感がこみ上げてきた
罪悪感をかき消すように、ひたすら腰を振っていた
50:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:16:06.04 ID:NWjmv6xd0.net
奥の方のおなか側にあるポイントを狙ってひたすら突いた
ぼくの汗が彼女のからだに落ちた
彼女は潤んだ目をこちらに向け、呂律の回らない声で、いや、いやと言っていた
51:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:18:01.99 ID:PxpOEnVU0.net
52:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:18:53.81 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくはそのまま彼女の上に倒れこんだ
彼女はぼくの頭を優しく撫でて気持ちよかったよと言ってくれた
53:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:21:28.33 ID:NWjmv6xd0.net
さっきまでとはまったく違う表情で笑っている彼女を見て、罪悪感は消えるどころかどんどん増していった
54:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:22:56.72 ID:NWjmv6xd0.net
罪悪感から逃れたい一心だった
きのう先輩と会った
と言ってしまった
55:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:24:32.59 ID:NWjmv6xd0.net
高校時代のぼくのすべてで、ぼくのはじめての人だということも彼女は知っていた
彼女の表情が変わった
56:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:27:05.85 ID:NWjmv6xd0.net
その証拠に彼女の顔はみるみる青くなっていき、ぼくの腕から抜けて背を向けた
ぼくは彼女の背中にむかってごめんと言ったが、彼女は何も言わなかった
57:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:30:11.76 ID:NWjmv6xd0.net
誕生日に連絡があったこと、2人で飲みにいったこと、そして告白されたこと
最近態度が変だったのは全部そのせいで、彼女には何も非がなかったということ
全部話したが、きのうのことだけは話せなかった
58:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:32:43.12 ID:NWjmv6xd0.net
彼女は泣きながらなんとか声を絞り出した
どうしたいのかなんて、ぼくに選べる余地があると思えなかった
ぼくは浮気者なのだから、捨てるか続けるかあなたが選んでくれと言った
59:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:38:37.58 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくは半身を起こしてそれを眺めながら、なんであんなこと言ってしまったのかと後悔していた
彼女は服を着終えると、そのまま帰ってしまった
玄関のドアが閉まる直前に、カランと音がした
あとで確かめてみたら誕生日にあげた指輪が投げ捨てられていた
60:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:42:49.58 ID:NWjmv6xd0.net
さっきまであんなに幸せで穏やかな時間が流れていたのに、どうしてこんなことになってしまったのかと泣いていた
自業自得だということは分かっていた
自分がこんなに彼女のことを好きだということに気が付いていなかった
自分でも愚かすぎて驚いた
61:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:45:46.98 ID:NWjmv6xd0.net
でも、走って追いついたところでなんと言えばいいのか分からなかった
そうやって悩んでいるうちにドンドン時間は過ぎていって、彼女が駅につくのに十分な時間がたってしまった
63:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:54:53.21 ID:NWjmv6xd0.net
手は震えたが、なんとか出ることができた
お互いに無言だった
64:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:56:43.96 ID:NWjmv6xd0.net
何がごめん?彼女は落ち着いた様子だった
黙って先輩と会ってごめん、とぼくは言った
65:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 02:59:40.74 ID:NWjmv6xd0.net
しばらくしてから、メールがきた
きみは私と先輩を天秤にかけてるところなんでしょう?
後悔しないように選択してください
待った時間の割には短いメールだった
66:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:01:10.58 ID:NWjmv6xd0.net
別れたくないと言ってほしかった
だから返事はこうなった
あなたは別れたいの?
67:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:04:48.85 ID:NWjmv6xd0.net
でも、わたしから何も言わずにわたしを選んでくれなきゃ嫌なの
ぼくの子どもっぽい目論見は成功した
安心してまた涙が出た
ぼくは彼女に電話をして、
ぼくも好きだ、先輩にはハッキリ断りの連絡をする、不安にさせてごめんと言った
彼女も泣きながら、バカと言った
68:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:12:37.86 ID:NWjmv6xd0.net
つくなり彼女に思い切りビンタされた
かなり痛かったし驚いた
次やったらこれじゃすまないからと彼女は言った
個室の中で指輪を彼女のゆびにはめ、ごめん、好きですと言った
彼女は私も好きと言ってまた泣いてしまった
69:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:14:12.21 ID:NWjmv6xd0.net
付き合ってからこれまでのことを色々話したりなんかして、とても穏やかな時間が流れていた
家に着いてからも朝が来るまで2人で話していた
71:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:29:38.61 ID:NWjmv6xd0.net
朝方寝て、昼頃起きて彼女が行きたいと言っていた水族館に行くことにした
その日は大雨だったが久々のデートだったので楽しめた
72:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:31:50.86 ID:NWjmv6xd0.net
学校の友だちには絶対に言わないでくれたのも彼女の優しさを感じた
73:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:38:06.15 ID:NWjmv6xd0.net
先輩からは何度か連絡がきたがすべて無視するうちに連絡も来なくなった
付き合ってから3年がたったころ、ぼくの実家に彼女を連れて行ったが、親も彼女を気に入ってくれたので、なんとなく結婚するんだろうなあと思い始めていた
74:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:41:30.07 ID:NWjmv6xd0.net
彼女もぼくも慣れないスーツに身を包み、説明会やセミナーに足を運びつつ暇を見つけてデートをする日々がはじまった
彼女はメーカーで営業がしたいと言うようになっていた
ぼくはある程度の待遇さえ保証されていればどんな仕事でもいいと思っていた
75:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:46:59.69 ID:NWjmv6xd0.net
結局ぼくは内定はいくつかもらったものの、納得いく結果ではなかったため院への進学を決めた
彼女は希望業界の会社にことごとくお祈りされて希望していなかった業界に就職することになった
彼女にらも納得いくまで就活することを勧めたかったが、精神的に参ってしまった彼女にそんな言葉はかけられなかった
77:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:50:05.35 ID:+lt0Qxct0.net
78:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:50:26.42 ID:NWjmv6xd0.net
ほとんど日本語が通じるしほぼ日本みたいなものだったが、はじめて2人でいく海外旅行でとても楽しかった
そして、ぼくは学生のまま、彼女は社会人になった
79:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:53:41.72 ID:NWjmv6xd0.net
毎晩のように酔っ払って電話をかけてきていたが、月の半分がたったころにはそれもなくなった
ぼくは不安に思ったが、自分から電話をかけると迷惑になるだろうと思って我慢していた
80:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:55:30.85 ID:NWjmv6xd0.net
考えても仕方ないし、何よりぼくは一度過ちを犯しているから一度なら許そうと思っていた
81:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:58:43.11 ID:NWjmv6xd0.net
大学1年の頃から付き合い始めて4年間、毎週かかさず会っていたので1ヶ月も会わないことは初めてのことで、とても苦しかった
82:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:01:57.40 ID:NWjmv6xd0.net
しかし駅に現れた彼女は、勘が悪いぼくでも気がつくくらい、思いつめた表情をしていた
それでも気がつかないフリをして、バカを演じて店に向かった
83:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:04:23.86 ID:NWjmv6xd0.net
男のぼくと同じくらいよく食べる
その彼女の箸が止まりっぱなしだった
彼女が何か言おうとするたびバカなぼくはそれを遮ってどうでもいい話をした
そのうち彼女も諦めて普通に笑ってくれた
84:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:06:01.83 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくと彼女は手を繋いで4年間何度も通ったぼくの家に向かう道を歩いた
彼女はずっとうつむいていた
85:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:12:15.32 ID:NWjmv6xd0.net
彼女も一緒にシャワーを浴びた
シャワーを浴びながらぼくは彼女を抱きしめた
久しぶりに会う彼女に我慢がきかなくなって、そのままキスをした
彼女もぼくの舌を受け入れてくれた
シャワーをとめると、狭い浴室にぼくたちのキスと音にまじって興奮した吐息が漏れるのが反響していた
87:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:16:35.23 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくは彼女を抱えてそのままベッドになだれこんだ
1ヶ月の空白を埋めるように、激しく求めあった
しかし、彼女が帰ってくるのを楽しみにオナ禁していたのが仇となったのか、あまり長くはもたなかった
88:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:19:06.08 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくは彼女にごめんと言い、いったあともしばらく彼女の中にいた
彼女はぼくを優しく抱きしめると、
言わなきゃいけないことがあるの
と言った
89:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:21:23.12 ID:NWjmv6xd0.net
もうバカのフリは通用しなかった
ぼくは体勢を整え、彼女に腕まくらしてあげるようにしてから、
言わなきゃいけないことって何?
とできるだけ穏やかにたずねた
90:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:23:30.68 ID:NWjmv6xd0.net
だからぼくは彼女の頭を撫でながら、自分から質問することにした
研修で何かあったの?
彼女は首を振った
91:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:26:27.35 ID:NWjmv6xd0.net
てっきり研修所で浮気したとかそんな話だと思っていた
彼女はぼくを見た
そして
別れなきゃダメだと思う
はっきりそう言った
92:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:29:13.78 ID:NWjmv6xd0.net
だってぼくと彼女は結婚して3人の子どもに恵まれて華やかさはないものの幸せに暮らすんじゃなかったっけ?あれ?
なんで?
まったく心当たりがなかった
どうしてこんなことになるのかさっぱりわからなかった
93:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:33:14.91 ID:NWjmv6xd0.net
青森県だって
彼女はそう言った
ぼくらが出会って一緒に過ごしたのは中国地方のある県だった
94:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:34:29.96 ID:NWjmv6xd0.net
研修中にふざけすぎたせいかな
と彼女は笑ってた
ぼくはなんでそれが別れることになるのか分からないと食い下がった
95:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:36:56.14 ID:NWjmv6xd0.net
耐えられるの?わたしは無理だと思った
だから別れなきゃダメだと思ってる
ってそう言った
96:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:40:50.68 ID:NWjmv6xd0.net
彼女は続ける
配属されるのはゴールデンウィーク明けだから、それまでに引越しとか住むとことか準備しなきゃなんだよね
忙しくなるな
はっきり言って、ぼくも遠距離を続ける自信はなかった
中途半端に遠距離恋愛を続けて彼女の負担になってぼくの存在自体が疎ましいものだと思われる前に綺麗な思い出でおしまいにしたほうがいいのかなと思った
97:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:44:26.86 ID:NWjmv6xd0.net
こんな風になっちゃってごめんね
大好きだよ
ぼくがしっかりしていれば、仕事なんか辞めてぼくについてこいと言えるのに
ぼくには何の力もない
ぼくは泣き顔を見られないように彼女に背を向けた
彼女は後ろからぼくを抱きしめた
98:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:50:31.59 ID:NWjmv6xd0.net
それまで待っててとは言わないけど、そのときにまだぼくを好きでいてくれたなら、またぼくと一緒になってほしい
そんなようなことを泣きながら支離滅裂な日本語でなんとか伝えた
彼女も泣きながら、うんとだけ言ってぼくたちはまたキスをした
99:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:53:49.18 ID:NWjmv6xd0.net
連絡も誕生日くらいにしかとっていません
ぼくはまだ彼女を迎えにいけるおとこにはなれていません
おしまい
100:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:54:45.93 ID:NWjmv6xd0.net
すみませんでした
ありがとうございました
ぼくはゴミクズです
101:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:55:33.95 ID:CgZEprZ10.net
男磨いて迎えに行け
102:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 05:12:26.67 ID:VbiBMwe20.net
きっとなれるよ
103:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 05:35:50.17 ID:wwd3GRQE0.net
立派な職業でなくて良いから早く迎えに行ってあげて。
104:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 06:59:13.03 ID:P7Surg3T0.net
早く幸せになれるのを願ってます
105:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 07:11:31.65 ID:tCFz5TGk0.net
108:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 12:10:25.46 ID:Y+dBBkfU0.net
109:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 14:42:45.35 ID:/FM24P7v0.net
107:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 09:39:43.42 ID:ZigjDvv20.net
引用元:眠れないからぼくと彼女の話思い出す