1:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:06:38.61 ID:VDHLhdgMO.net
2:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:06:57.96 ID:nLn5RayDi.net
3:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:07:50.76 ID:t6GrZQ3C0.net
6:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:11:58.39 ID:VDHLhdgMO.net
学がないので文才はないのであしからず。
色々あったので、整理するつもりで書いていく。
8:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:13:13.29 ID:u7zF2cZ80.net
9:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:13:46.23 ID:VDHLhdgMO.net
中学卒業して進学もせず働きもせず、地元のやつらとつるんでは悪いことばっかりしてた。
16の夏強盗と傷害で少刑に入った。
出所後、生き方を変えようと決意したけど、人間関係がうまくいかず職場を転々として挫折。
10:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:14:51.68 ID:nLn5RayDi.net
11:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:14:57.64 ID:VDHLhdgMO.net
何してたかとかは端折る。御想像におまかせするわ。
22歳になって、街でナンパした女が妊娠して所帯持ちになってしまった。
相手は24歳のキャバ嬢。
嫁と子供ができても、俺は全然変われなかった。いや変わらなかった。
12:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:17:36.65 ID:WNsUS5kp0.net
13:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:18:06.80 ID:VDHLhdgMO.net
そのままツレん家行って時間潰し。
夜になったらまたクラブって感じだった。
嫁と子供が住んでるアパートには、週に一回帰るかどうかって感じだ。
どうでもよかった。何もかも。俺の人生ド底辺だしもうやりたい放題だった。
14:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:19:37.14 ID:VDHLhdgMO.net
たまに家に帰れば喧嘩。
「ちゃんと仕事してよ。生活費だけでもいいから入れて。」
「うるせー。キャバクラで働いてた時の貯金があんだろーが。指図すんな。」
正直めんどくさかった。
15:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:23:44.29 ID:VDHLhdgMO.net
契約だけどさ。
工場部品の営業なんだけど、全然契約がとれなくっていつも上司にどやされてた。
16:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:24:57.62 ID:VDHLhdgMO.net
ある日、会社の係長の財布がなくなったんだ。
疑われたのが俺だ。
いや、完全に犯人扱い。
まあフラグがたってるよな。
18:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:27:01.30 ID:VDHLhdgMO.net
いつも俺を目の敵にしていた上司が、因縁つけてきた。
俺「いや、やってねーっすよ」
上司「おまえ以外に誰がやるんだよ。バカか?」
書類で頭を叩かれた。
すると女子社員が来て、
「係長の財布見つかったそうです。
お昼に定食屋さんに忘れてきたみたいで」
19:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:28:08.98 ID:IitSPCxI0.net
20:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:28:43.28 ID:VDHLhdgMO.net
まあでもおまえが疑われやすい見た目だから悪いんだよw」
俺は上司を睨みつけた。
上司「何だその目は?反抗的だな?
だから中卒は駄目なんだよ。脳味噌入ってないんだろ?」
ついに我慢出来ずに上司をぶん殴ってしまった。
会社からは事件にはしないがクビだと言われた。
あたりまえだが。
22:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:30:30.07 ID:VDHLhdgMO.net
俺が悪いんじゃない。世の中が悪いんだって自分に言い聞かせて。
な?クズだろ俺。
結局給料が入らないから嫁にバレた。
21:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:30:01.19 ID:nLn5RayDi.net
23:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:34:03.64 ID:VDHLhdgMO.net
そうだよな。
まあ随分昔だし、社会経験の少ない俺はそんなことすら考えつかなかったよw
続き
で元に戻るけど、
嫁と顔を合わせば喧嘩ばかりで、イライラする。自分の居場所なんてなかった。家に帰る意味なんかあんの?そう思ってた。
そんな時、息子の寝顔を見ると癒されてたんだ。
それと同時に、自分が惨めになるんだ。
最悪最低の父親だって。
24:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:36:42.66 ID:VDHLhdgMO.net
とうとう俺は家に帰らなくなった。
俺は本当にクズなんだ。
親を早くから亡くしたせいか。
唯一肉親の息子のことだけは気になっていた。
25:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:42:39.27 ID:t6GrZQ3C0.net
26:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:42:53.08 ID:VDHLhdgMO.net
そんなある日、
知らない番号から電話がかかってきた。
27:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:44:04.81 ID:VDHLhdgMO.net
俺「はい?どちらさん?」
「○○保育園の佐々木と申します。
ハルちゃんの担任の。」
言ってなかったけど、ハルは俺の息子の名前だ。
俺「え?保育園?」
佐々木「はいそうです」
知らなかった。ハルが保育園に行ってたなんて。
28:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:45:08.05 ID:VDHLhdgMO.net
佐々木「あのー、ハルちゃんのお父さんで間違いありませんよね?」
俺「あー…はい。で何で俺に連絡してくんの?」
佐々木「いつもお母さんがお迎えに来られるんですが、今日はまだ来られないんです。」
29:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:47:08.47 ID:VDHLhdgMO.net
で?」
佐々木「延長の場合は事前に連絡をもらうようになってまして。
本日はお母さんからまだ連絡はありません。
園も8時には閉めますので、どうかお父さん迎えにきて頂けますか?」
嫁には何度も連絡したらしい。
で繋がらないから、緊急連絡先の俺に連絡があったわけだ。
30:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:48:08.77 ID:uJCTo02e0.net
31:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:48:15.19 ID:VDHLhdgMO.net
なんて無責任で親の自覚がねーなんて思われても仕方がない。
読んでて不快な気分になった方は許してくれ。
そして続けさせてもらう。
32:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:48:32.92 ID:t6GrZQ3C0.net
33:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:49:55.11 ID:F3nhufx00.net
34:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:50:54.35 ID:VDHLhdgMO.net
門の前には電話をくれた佐々木先生と、息子のハルが手を繋いで立っていた。
佐々木「ハルちゃんのお父さんですか?」
俺「あっ…はい、そうです」
佐々木「初めましてw佐々木と申します。
ハルちゃん泣かずにお利口に待ってましたよーw」
ニコッと微笑む佐々木先生をチラ見し、久しぶりに会う息子の顔を覗きこんだ。
35:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:52:53.09 ID:VDHLhdgMO.net
まあ誰だけ分かってないのかもしれん。
佐々木「帰ったら沢山誉めてあげて下さいねw
ほらハルちゃんパパだよw」
ハル「‥‥」
佐々木「きっといつもお母さんが迎えに来てるから恥ずかしがってるんですよw」
と言いハルの手を俺に預けた。
36:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 22:54:21.16 ID:VDHLhdgMO.net
俺「あの、いや。」
佐々木「そうですか?
お母さんの職場に連絡したら4時で帰ったって言ってたんで、きっとお家にいますよw」
俺「はー。。。
あの、迎えにくるの遅くなってすみませんでした。」
佐々木「いいえw
良かったねハルちゃん、パパ迎えにきてくれてw
バイバーイ」
そう言って先生は園内に戻った。
ハルを見ると、まだポカーンと口を開けたままだ。
37:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:00:09.70 ID:VDHLhdgMO.net
溜め息をつき、頭をボリボリかいた。
俺「なーハル?帰るか?」
ハルは何も言わなかった。
いきなり知らない人が来たんだ。無理もない話。何しろ半年ぶりの再会なんだからな。分かるはずもない。
俺はハルの手を引っ張り、嫁のアパートまで行った。
久しぶりの帰宅。
綺麗に片付いた部屋にはサリナ(嫁)の姿はなかった。
38:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:01:22.62 ID:VDHLhdgMO.net
冷蔵庫を開けて俺を見た。
俺「何?」
ハルは俺の元に戻って手を引っ張った。
冷蔵庫まで連れてくると、パックのジュースに俺の手を誘導する。
俺「喉乾いた?」
ハル「ちめたいー。ちめたいーの」
と言って俺の手を引っ張る。
39:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:01:35.19 ID:uJCTo02e0.net
40:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:02:19.68 ID:VDHLhdgMO.net
俺はパックのジュースをコップに注いで、ハルに渡した。
ハルは一気にジュースを飲み干すと、また俺の手を冷蔵庫の中に誘導した。
俺「何?今ジュース飲んだろ?」
ハル「ビャアアアンー。うえーんっ」
急に大声で泣き出す。
41:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:05:06.26 ID:VDHLhdgMO.net
泣き続けるハル。
うるさいので抱きかかえてヨシヨシしてみる。
とりあえず泣き止まさないと近所迷惑だ。
俺「ほらほら。どうした?泣くなよー」
ハル「ウギャーー」
いっそう声のボリュームが上がる。
駄目だわこれわ。
42:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:05:28.22 ID:8TZnW3lS0.net
44:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:07:39.28 ID:VDHLhdgMO.net
びーびー泣くな。」
怒鳴る俺にビックリしたのか、急に泣き止んだ。
少し震えている。
なんだか悪い事した気分だ。
45:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:09:12.19 ID:6OIfy+9o0.net
46:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:09:19.56 ID:VDHLhdgMO.net
ハル「ヒクッ、、ヒクッ、、マンマー、、ヒクッ」
どうやらお腹が減っているようだ。
俺「落ちつけ。何が言いたいんだよ。泣いてもわかんねーだろ」
少し震えながら、冷蔵庫を指差した。
ハル「ヒクッ、、ヒクッ、、マンマー、、ヒクッ」
どうやらお腹が減っているようだ。
49:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:15:24.47 ID:VDHLhdgMO.net
もちろん料理なんてしたことないし、作れるはずもない。
あれこれ荒らしまくって、ようやく食器棚の中にカップラーメンを見つけた。
カップラーメンに湯を注いでハルの前に出した。
50:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:18:06.29 ID:VDHLhdgMO.net
少しはしゃいで飛び跳ねるハル。やっぱり腹が減ってたようだ。
俺「さー食え。」
そう言うとハルはまた俺の手を掴んで、箸をを掴ませた。
どうやら食わせろってことなんだろう。
51:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:20:21.01 ID:VDHLhdgMO.net
じゃあ食わしてやりますよ」
そう言ってラーメンをハルの口もとに持っていった。
ハル「ぎゃあああー」
泣き出すハル。
熱かったみたいだ。
仕方なくふーふーして食わしてあげた。
ハル「んまー。んまー。」
人の苦労も知らず、無邪気に喜ぶハル。
俺「母ちゃん帰ってくるまでの辛抱か。。。」
独り言を言いながら、携帯でサリナに電話をした。
ずっと電源を切っているようだ。
52:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:21:38.19 ID:VDHLhdgMO.net
どうせ男の家でも行ってんだろーが。
子供ほっぽらかしてんじゃねー」
まあ俺が良く言えたもんだって話しだけど。
ハル「マンマー。マンマー。」
食べ終えたのにまただ。
俺「はあ?今食ったろ?
ふざけんな」
53:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:22:42.72 ID:VDHLhdgMO.net
また泣き出した。
仕方がないとりあえずなだめるか。
俺は抱きかかえて身体を揺らした。
どれくらい時間がたったろう。
ようやくハルは目を閉じて、深い眠りについた。
54:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:23:16.48 ID:IitSPCxI0.net
55:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:23:49.90 ID:VDHLhdgMO.net
非常に疲れた。
くそー。何で俺がこんな目に。
そう思いながら、冷蔵庫からビールを取り出し、一気に飲み干した。
俺「ぷはーっ、うんめー」
一息ついて家を見渡した。
出ていって半年になる。
あの時のまま何も変わらない部屋。
56:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:26:33.63 ID:VDHLhdgMO.net
布団でスヤスヤ眠るハルの寝顔を見つめた。
少し成長した。
顔も前より大人になった。サリナに良く似てる。
そう言えばハルの声初めて聞いたな。
会話は出来ないけどな。
半年前は、って言っても殆ど家に帰ってないけど、泣いてる声しか聞いたことなかったな。
57:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:30:40.10 ID:kmNfYhMJ0.net
58:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:31:17.81 ID:VDHLhdgMO.net
とりあえず父親何て俺には無理だと思った。
すぐにサリナは帰ってくるだろうし、帰ってきたらまた出ていけばいい。
いっそのこと離婚しとくかなんて考えてた。
59:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:34:07.95 ID:VDHLhdgMO.net
どうやらいつの間にか寝ていたみたいだ。
ハルが俺のお腹に跨がり笑顔で冷蔵庫を指差した。
ハル「ちめたい。ちめたい」
俺「ん?」
ハル「ジューチュ。ジューチュ」
60:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:35:42.37 ID:VDHLhdgMO.net
冷蔵庫からカルピスを出してハルに飲ませた。
時計を見ると11時。
うわっ昼じゃん。
携帯を見ると着歴が3件に留守歴が一件。どれも昨日かかってきた保育園からだ。
サリナに電話したが、やはり電源を切っている。
61:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:36:18.25 ID:5vE1wjb00.net
62:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:37:21.50 ID:d4Ho8sPC0.net
63:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:37:23.66 ID:VDHLhdgMO.net
不意の電話に驚いた。保育園からだ。
俺「はい?」
佐々木「○○保育園の佐々木です。
あのーお母さんは?」
俺「あの、、、」
少し考えた。
帰ってきてないなんて言えるはずもなく。
俺「あの。突然なんですが、実家に帰省しました。母親が入院したらしくて」
とりあえず嘘をつく俺。
64:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:38:33.83 ID:VDHLhdgMO.net
お父さんは連絡ついてるんですね?良かったw
じゃあお父さんもハルちゃんも一緒に実家に?」
俺「いや、あの、妻だけ帰りました。」
佐々木「そうなんですねw
ハルちゃんは今日はお休みですか?」
俺「いや、あの。。。」
65:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:39:51.94 ID:VDHLhdgMO.net
俺「すいません」
佐々木「いいえw
出来れば休むにしろ、遅刻にしろ前もって連絡下さいねw」
俺「はい。」
結局保育園に連れてきたのだ。
佐々木「お迎えは5時なので、ちゃんと迎えに来て下さいw」
66:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:41:35.77 ID:VDHLhdgMO.net
そう言って保育園を後にした。
ふざけんな。
冗談じゃない俺が迎えに行くわけねーだろ。
何が何でもサリナを見つけ出してやる。
そう考えながら、まずはサリナの職場に連絡した。
地元のスーパーでレジのパートをしていると保育園で聞いた。
67:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:42:58.03 ID:5vE1wjb00.net
68:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:47:59.73 ID:VDHLhdgMO.net
店長「いや今日はお休みで朝電話がありましたよ。」
俺「次いつ来ます?」
店長「さー。当分休むって連絡あったからねー。」
そう言われ知り合い何人かにも連絡を入れてみた。
69:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:49:15.70 ID:VDHLhdgMO.net
結局誰もサリナの近況すら知らなかった。
後はサリナの実家しかない。
でも、ここだけは連絡したくなかった。
だけど背に腹は変えられない。
仕方なく電話した。
70:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:52:01.53 ID:VDHLhdgMO.net
サリナ知らないわよ。
どうして?」
俺「連絡つかなくって困ってて」
サリナ母「えー?
あんた甲斐性なしだからよ。出てって当然。
ハルちゃんは?
ハルちゃんはどうしてるの?ハルちゃんはサリナと一緒なの?」
サリナの母親は当然のごとく俺を良く思っていない。
どうやら知らないようだ。
何か話しているようだが、途中で電話を切った。
71:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:54:06.25 ID:VDHLhdgMO.net
あいつはもう戻ってこないのだと。
しかし何て薄情なやつだ。息子を捨てて消えるなんて。
俺がそんなこと言えたもんじゃないことは重々承知だが。
結局ハルは俺が迎えに行った。
またアパートに帰り。スーパーで買ったオムライスを食わせ寝かせた。
72:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:55:58.98 ID:VDHLhdgMO.net
子育てって大変だなって、たかが1日2日で思ったんだ。
世の中の主婦をすごく尊敬するよ。
全然会話も出来ない息子。
これからどうすればいいのだろう。
いきなり取り残され、いきなり父親になる。
本当に大丈夫なんだろうか?
ハルの寝顔を見た。
寝る前に少し泣いていたから、涙の後が頬に残っている。
73:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:56:04.79 ID:Ek3f6/3D0.net
75:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:58:56.52 ID:Fpmj2JSf0.net
74:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:57:23.06 ID:5vE1wjb00.net
76:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/12(土) 23:59:05.88 ID:VDHLhdgMO.net
いつも一緒だった母親がいないんだ。
寂しいだろーな。
サリナがどんな気持ちで出ていったのか、その時の俺は知る由もなかった。
そっとハルの体に布団を掛ける。
ハルが生まれてすぐ、ハルは集中治療室に入った。
ミルクを飲まず、血便が出たからだ。
その弱々しい小さな体を見つめ。
石ころのような、小さな手を握り
俺「俺が守ってやるからな」
寝ているハルの手を優しく握り、そう誓ったのを思い出した。
77:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 00:00:23.91 ID:IzDZ2+yf0.net
78:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 00:01:21.78 ID:hP1Vid9mi.net
今俺も子供4人を寝かしつけた。
79:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 00:05:19.47 ID:7FyMgNZmO.net
ハルの寝顔があまりにも可愛いく思えた。
こいつには今俺しかいないんだ。
俺が守ってあげないと。
出来ないかもしれない。いや出来ないじゃない。やるしかないんだ。父親を。
俺にも父親がいた。自慢できるような父親じゃなかったけど。でも俺を育ててくれたんだよな。
今でもそんな父親の背中を覚えている。
その日から、俺とハルの二人三脚の生活が始まった。
80:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 00:06:27.64 ID:gXc6hoQN0.net
82:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 00:08:15.45 ID:7FyMgNZmO.net
出来る限りは返事するけど、スルーは許してくれ。
ちなみにリアル中卒だ。
書きため分はまた後で投下します。
83:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 00:08:35.41 ID:Fj+GDWpB0.net
84:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 00:14:41.68 ID:MtwkDpU10.net
続き待ってるよ
85:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 00:15:07.89 ID:GnP5A1m+0.net
87:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 01:16:33.14 ID:w2VXPPwk0.net
読んでるから
90:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 02:46:07.73 ID:jS2wFWvD0.net
91:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:24:51.91 ID:7FyMgNZmO.net
映画見てたんだ。返却が明日までだから。
続きです。
朝の日差しで目を覚ますと、横ではハルがぐっすり眠っている。
とりあえず父親になると決めた。
まずは保育園に行って佐々木先生に、サリナが出ていったことを話そう。
それから仕事を探さないと。俺一人なら食っていけるけど、今はハルを育てなきゃいけないんだ。
サリナがいつ戻ってくるのか?もう戻ってこないかもしれない。誰かをあてにすることなんでできないんだ。
92:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:25:54.58 ID:7FyMgNZmO.net
佐々木「これから大変でしょうけど、
私たち園も出来る限りハルちゃんの力になります。」
と言われ少し安心した。
その足で職安に行くことにした。
93:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:27:01.15 ID:7FyMgNZmO.net
正直難しいですよ。今不景気ですしね。職歴も殆どないですし、学歴も中学卒業じゃね。
資格もないと言うことですし…
それに子供を一人で育ててる訳でしょ?会社の負担になりかねませんよ。」
俺「お願いします。どんな仕事でもするんで。」
正直仕事をしないとやばい。
手持ちも殆どなく、明日にもハルを食わせられなくなるかもしれないからだ。
94:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:27:59.97 ID:7FyMgNZmO.net
とりあえず携帯やら、求人のフリーペーパーでバイトを探してみる。
アパートから近目の場所に手あたり次第電話をした。
あっさり面接を4件こぎつけた。楽勝じゃん。でもそう簡単ではなかった。
95:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:30:53.99 ID:7FyMgNZmO.net
某有名フランチャイズレストランに面接に来た。
俺「いや、とりあえず金がほしくて。」
この時の俺は、本当に社会人としてのスキルが皆無だったんだよ。
店長「履歴書君が書いたの?」
俺「そうですけど…」
店長「漢字間違ってるし、字下手だね?w
それに君、職歴が空欄だけど仕事したことないの?」
96:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:31:56.39 ID:7FyMgNZmO.net
最近はずっとプーだったんで」
店長「ハハw
ちょっとうちじゃ難しいかなw」
こんな感じで断られた。
まあこう言われる方がまだましだ。
何も質問されず、後日連絡すると言われて追い返される事の方が多かった。
97:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:32:16.25 ID:YLPnSPsa0.net
98:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:34:00.65 ID:7FyMgNZmO.net
ハルとの生活だけど、ハルは泣いてばかりだった。
会話が出来ないから、ハルとの意思疎通が出来ない。だからイライラが募る。
俺は怒鳴ってばっかりだ。
ほとほと疲れた。
仕事も見つからない。お金ももう残っていない。
頭を抱えるしかなかった。
どうすればいいんだ。これからちゃんとやっていけるのか。
そんな不安に追い討ちをかけるように嵐はやってくる。
99:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:37:35.13 ID:icL6J1Rui.net
100:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:37:49.25 ID:7FyMgNZmO.net
チャイムが鳴った。
こんな朝早くに何だ。
時間はまだ7時前。
またチャイムが鳴る。
ドンドンッドンドンッ。
激しく玄関を叩いている。
その音にハルが反応して目を覚ました。
ハル「あーーんっ」
うるせーなっと思いながら、泣くハルを抱きかかえて玄関を開けた。
101:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:37:48.93 ID:3NThjiFvi.net
102:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:39:02.21 ID:7FyMgNZmO.net
大家ですけど。」
ぽっちゃりしたキツい目をしたおばちゃんが、ズカズカと家の中に入ってきた。
俺「朝っぱらから何なんすか?」
大家「何度も電話したのにでないからよ。
わざわざこっちが来てやったわよ。
奥さんはいないの?」
鼻息を荒くし、強い口調で話す大家さん。
大家さんが言うには、3ヵ月家賃を滞納しているらしい。
103:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:42:35.79 ID:7FyMgNZmO.net
今月まとめて払えなかったら、出ていくように言ってあったでしょ!」
財布の中身は600円だったのを思い出した。
俺「いや、すんません。俺知らなかって。
何とかするんで一週間待ってもらえませんか?」
104:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:44:31.11 ID:7FyMgNZmO.net
ただでさえもう1ヶ月待ってやってんだ。
もう特別はなしだからね。」
俺「いや、行くあてなんてないんですよ。
一週間。いや3日でいいんで待って下さいよ。」
泣き叫ぶハルを抱えながら、必死に交渉した。
だけど交渉虚しく、解約にサインさせられ追い出されるはめになった。
105:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:45:47.52 ID:7FyMgNZmO.net
ハルの着替えを入れたリュックに、サリナとハルの写真。
後は全て家賃滞納分にあてると言うことで置いていくことに。
悲惨だ。
父親になると決めたのにこんな事になるなんて。
あー笑ってやってほしい。
まさかのホームレス状態。家なき親子だ。
救いようのないとはこのことだ。
106:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:48:43.82 ID:7FyMgNZmO.net
書き溜分はここまで。
また続き書いていきます。
見てくれてる人どうも。
107:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 03:49:55.36 ID:YLPnSPsa0.net
110:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 04:05:34.97 ID:w2VXPPwk0.net
111:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 04:35:51.80 ID:7WGGTDfE0.net
112:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:14:51.19 ID:7FyMgNZmO.net
俺「今日もハルをよろしくお願いします」
覇気のない声でお願いした。
重い足取りで園を出ようとした。
113:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:20:45.86 ID:7FyMgNZmO.net
振り返ると佐々木先生が園内を掃除していた。
俺「はぁ…まあ」
佐々木「今日は元気ないですね?
お母さんとはまだ連絡とれませんか?」
俺「はい…」
まあ元気はいつもないんだが。
やっぱこう言う仕事してる人って、異変とかすぐ気付くんだな。
114:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:22:46.54 ID:7FyMgNZmO.net
ハルちゃんにはお父さんしかいないんですよ。
元気ない姿って子供はすぐ気付くから。
特にこれからが成長期です。お父さんの背中はちゃんと子供は見てますよ。
何か悩み事があるなら相談して下さいwお父さんの悩みはハルちゃんの悩みですよ。」
俺「はい…」
先生には家を追い出されたことを相談するか悩んだ。
だけど他人にこんな話しされるなんてあまりにも気の毒だ。
115:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:24:09.67 ID:7FyMgNZmO.net
俺「はあー」
ため息しか出てこない。
仕事を探すのに困難しているのに、住むところまで探さなきゃならない。
絶望的だ。
116:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:25:27.76 ID:7FyMgNZmO.net
時間だけが刻一刻と過ぎていく。
直ぐにハルの迎えの時間はやってきた。
117:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:29:41.78 ID:7FyMgNZmO.net
そうだ、クラブでナンパした女の家に泊めてもらおう。
1日くらい大丈夫だろ。そんな軽い気持ちで向かってはみたものの。
女「はあ?
無理無理。
あんた子持ちなの?最低。」
俺「頼むよ。
1日でいいからさ」
女「いやよ」
「誰か来たのかー?」
部屋の中から男の声がした。
女「分かったでしょ?
さっさとどっか行ってよ」
そんな感じで追い返されたんだ。
118:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:30:38.32 ID:496qnKq/0.net
119:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:30:43.92 ID:7FyMgNZmO.net
数人のツレにも電話したけどなんなく断られる。
辺りはもう真っ暗だ。
路頭に迷う俺とハル。
世間が妙に冷たく感じた。
ハルも疲れたのか。
両手を俺に向け。
ハル「ダットー。ダットー。」
と言う。
120:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:31:48.46 ID:7FyMgNZmO.net
俺はハルを抱っこし、大きなリュックを背負った。
ようやく繁華街にある広場の階段に腰を下ろした。
せめて明るい場所の方が、ハルも落ち着けるだろうと思ったからだ。
ただボーっと座っていたんだ。正直今何も考えられない状況。
121:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:33:24.67 ID:7FyMgNZmO.net
警備員服を来た初老の男に注意された。
ここに座られては、客が入らないと言うことらしい。
俺「ここはおめーの土地か?」
いつもならつかかって行くとこだが、今そんな元気もない。
俺は黙ってまた歩き出した。
122:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:34:55.92 ID:7FyMgNZmO.net
ハルは俺から降りて喜んで走り回っていた。
状況を理解できる年齢じゃないから当然だ。公園に遊びに来たとでも思っているんだろう。むしろそっちの方がありがたいか。何も考えてない方が。
123:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:35:56.65 ID:7FyMgNZmO.net
風呂に入れないので、公園の蛇口で水を借りた。
タオルで体を拭いてあげると、冷たくて気持ちいいのかすごく嬉しそうだ。
目を擦って眠たそうにしてる。
俺はハルを抱っこして、大きな滑り台の下がトンネルみたいになっていたのでそこに入った。
124:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:44:35.72 ID:7FyMgNZmO.net
月明かりがトンネルの中まで入ってきている。
ハルを横向に抱え座り込む。
ハルは俺を見つめ、宇宙人みたいにわけの分からない言葉を話している。
きっと俺に話しかけてるんだろう。
125:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:45:04.60 ID:k94fDNAni.net
126:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:46:03.32 ID:7FyMgNZmO.net
寂しさも込み上げてきた。何でだろうか
?こんな気持ちも、きっとハルと会話が出来ればましだったんだろうか?
俺は一人なんだと痛感する。
そう思いながらハルの言葉に耳を傾けていた。
127:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:47:16.23 ID:7FyMgNZmO.net
え?聞き違いか?
ハル「パッパ」
今度は俺を指差して言った。
俺「パパ?
今パパって言ったか?
うんパパ。」
急に何かが込み上げてきた。
128:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:49:55.26 ID:7FyMgNZmO.net
ハル「パッパーw」
俺「うんうん。
パパ。パパだよw」
俺のことを初めてパパって言ってくれたんだ。
ハルをギュッと強く抱きしめた。
苦しそうにしていたけど、そんなのお構いなしだ。
俺の瞳からは溢れんばかりに涙がこぼれた。
129:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:51:10.82 ID:7FyMgNZmO.net
本当ごめんなー。」
俺は大泣きしながらハルに謝った。
こんな情けない父親で。こんなひもじい想いをさせてることに、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
いつぶりだろうか。いや、こんなに泣いたのは初めてかもしれない。
こんな気持ちになったのわ。
俺は一人じゃなかったんだ。
こんな俺でも父親と思ってくれてるんだな。子供の笑顔ってすごいなって実感させられたよ。
130:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:55:03.88 ID:7FyMgNZmO.net
眠れる場所じゃないからとかじゃない。
自分の不甲斐なさと今までの腐った自分を思い返してだ。
佐々木先生の言葉が耳に残っていた。
「ちゃんと子供はお父さんの背中を見てますよ」
そうなんだ。
俺もそうだったし。
ハルは俺の背中を見て育つんだ。
もっとしかりしないとダメだ。
131:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:55:36.82 ID:0HhuAnws0.net
132:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:57:54.28 ID:7FyMgNZmO.net
こうなったのは親のせい、学校のせい、大人のせい。
今だってそうだ。社会や世の中のせい、嫁のせい、いつだってそうなんだ。
自分の否を認めず誰かれ構わず他人に責任を押し付けてきた。
全て自分の責任なのにな。自分がこうしてしまったんだ。
きっとサリナもそんな俺に愛想が尽きたんだな。
133:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/13(日) 05:58:55.96 ID:7FyMgNZmO.net
134:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 06:03:20.06 ID:yRXBB3Xg0.net
135:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 06:55:09.38 ID:F/i3ZuZ40.net
143:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 12:34:19.39 ID:GnP5A1m+0.net
146:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 13:33:08.87 ID:JG9iFxoz0.net
145:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 13:22:04.51 ID:gv9F+3Ol0.net
頑張れ。
148:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 14:28:44.32 ID:kM0p2356i.net
149:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 14:34:02.88 ID:88E1A7jF0.net
151:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 14:38:47.75 ID:dsJZWg7Di.net
羨ましい。
152:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 14:59:40.15 ID:GnP5A1m+0.net
クズでも「頑張った」から父親になれたんだよ
163:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 21:00:29.88 ID:fXnWRkWz0.net
待ってるで!
167:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 22:44:30.67 ID:MtwkDpU10.net
続きに期待
168:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 22:50:43.68 ID:Q1q5EB880.net
171:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/13(日) 23:20:06.79 ID:v6Wuc+xUO.net
174:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:42:18.46 ID:cLHnL3TiO.net
今から少し投下する。
見てくれてる人結構いてくれてるんだな。
頑張って書きます。
続き
外で朝をむかえたその日、俺はハルを連れて隣町まで2時間かけて歩いていた。
保育園には前もって連絡を入れ休ませた。
唯一の頼りがそこにあったからだ。
死んだ親父の姉貴に会いにいったんだ。俺の叔母にあたる人。
小さい頃の記憶だけが頼りだった。
親父に2、3回連れてこられたことがある。
175:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:44:58.27 ID:cLHnL3TiO.net
リフォームして新しく建て替えられていたけど、表札を見てここで間違いないと思った。
チャイムを鳴らすと、四十歳過ぎのおばさんが出てきた。
おばさん「はい、どちらさまですか?」
俺「あの…、
カズエおばさん(親父の姉貴)はいてますか?
俺っていいます。」
おばさん「えー、あっ、母さーん」
どうやらカズエおばさんの娘のようだ。
おばさんは俺とハルの全身を舐めるように見、家の中に向かって叫んだ。
おばさん「ごめんなさいね。
俺さんってどちらの俺さん。母とはどういった関係?」
無理もない不審者に見られてるんだろう。
176:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:47:23.98 ID:cLHnL3TiO.net
「はいはい。
どうしたの?お客さん?」
ガリガリのおばあちゃんが中から出てきた。この人がカズエおばさんなのか?
正直顔まで覚えていないから分からない。でもきっとこの人で間違いないだろう。
177:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:48:41.34 ID:cLHnL3TiO.net
お母さん知り合い?」
カズエ「俺さん?」
カズエおばさんは俺をジッと見つめた。
カズエ「もしかして、俺父の息子の俺ちゃん?」
長い月日が経っていたが、どうやら俺のことを覚えてくれていたらしい。
俺「はい。。」
目を潤ませながら俺に近づいてきた。
大きくなったねと言われ再会を喜んでくれた。
178:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:55:05.51 ID:cLHnL3TiO.net
ハルは広い家が初めてだったので、すごく挙動不審だったのを覚えている。
179:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:02:02.52 ID:cLHnL3TiO.net
ありがとうね。
よくこの家が分かったねw」
カズエおばさんは俺が赤ちゃんの頃、よくオムツを変えてあげたと言っていた。子供の頃の俺や親父の話しを嬉しそうに語ってくれた。
180:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:03:40.44 ID:cLHnL3TiO.net
本題はここからだ、今どうしても寝泊まりするところが欲しかった。
ハルをずっと外で寝かすなんて出来ない。
迷惑は重々承知だけど、仕事と住む場所が決まるまでどうにか居候さしてもらえないかと頼んだ。
勿論今日までの経緯を話してだ。
181:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:04:09.42 ID:sSsJrPnM0.net
見てるぞ
182:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:04:43.78 ID:cLHnL3TiO.net
いいのよ。おばちゃんに甘えなさい。」
目を真っ赤にし、俺の話しを納得した上で優しく応えてくれた。
少しホッとした。
膝の上に座らせていたハルは、どうやらオネムのようだ。
コクリとコクリと眠りに入ろうとしている。
183:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:04:44.91 ID:tMBUXb970.net
184:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:06:37.61 ID:cLHnL3TiO.net
続き
おばさん「ちょっとお母さんいい?」
リビングの扉を少し開けて手招きする娘。
それに気づいてカズエおばさんがリビングから出ていった。
俺は出されたお茶を一気に飲み干した。
185:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:07:52.37 ID:L/5Bs3zQ0.net
186:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:08:20.67 ID:BIW9hj96i.net
187:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:08:26.29 ID:cLHnL3TiO.net
あの子達を泊めるなんて勝手に決めないで下さい。
うちには受験を控えた娘がいるんですよ。」
隣の部屋から会話がまる聞こえだ。
カズエおばさん「せっかく頼って来てくれたんだよ。」
おばさん「駄目に決まってるでしょ。
どこの誰かも分からないのに。」
カズエおばさん「他人じゃないの。
ヒロシ(息子さん)には私からちゃんと話しておくから。」
おばさん「私には他人です。
私は反対ですから。」
188:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:08:45.88 ID:yMU065QB0.net
190:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:09:39.38 ID:q9IWr0+70.net
191:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:15:59.32 ID:cLHnL3TiO.net
俺は眠っているハルを抱きかかえ、黙っておばさんの家を後にした。
そりゃそうだよな。
無理もない。
いきなり見ず知らずの人間がきて泊めてくれなんて。
他人にそんな優しくする義理なんてないよ。
それに俺のせいで、カズエおばさんに迷惑をかけるわけにはいかないしな。
何故か悲しい気持ちや辛い気持ちにならなかった。
だってさ、久しぶりに会ってハルを見て、あんなにも喜んでくれたんだ。
それだけで十分じゃないか?
夕焼け空が真っ赤に染まる。
ハルをおぶった自分の影お見ながら、二時間かけてきた元の道をゆっくり帰った。
192:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:32:06.27 ID:cLHnL3TiO.net
途中コンビニでおにぎりを一個買って、それをハルに食べさせた。
ハルも大分疲れていたみたいだ。
すぐに眠ってしまった。
財布の中身を見て憂鬱になる。
本当の無一文だ。
下を向き目を閉じて、明日からどうするかを考えた。
193:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:33:35.70 ID:cLHnL3TiO.net
とりあえず日雇いで働ければ、温かいお風呂にも入れてやれる。お腹一杯ご飯だって食べさせてやれるんだ。
そんなことを考えながらウトウトしていた。
「俺くん?
俺くんだね?」
急に目の前が眩しくなる。
懐中電灯で照らされているんだ。
そこには眼鏡をかけた、中年のおじさんが立っていた。
194:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:41:04.61 ID:iepNz9ck0.net
俺もクソだから気になって仕方ない
195:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:07:57.43 ID:cLHnL3TiO.net
だいぶ探したよ。
こんな所で寝たら駄目だ。
小さい子供がいるんだから。
とりあえずうちにおいで」
すぐにカズエおばさんの息子のヒロシおじさんだと分かった。
196:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:08:58.70 ID:cLHnL3TiO.net
おじさん「いいからおいで。
母さんも心配して待ってるんだよ」
俺「すんません。
迷惑かけます…」
俺とハルを車に乗せてくれ、家まで連れて行ってくれた。
途中車の中で、
妻のことは気にするな。娘が受験前で気がったっているんだ。とわざわざ気を使ってくれた。
197:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:09:14.55 ID:sazwWE6y0.net
198:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:09:57.34 ID:cLHnL3TiO.net
カズエおばさん「追い返したりしてごめんね。
本当にごめんね。」
と泣きながら謝るおばさんに、申し訳ないことをしたと思った。
ヨシノおばさん(カズエおばさんの娘)
に「お世話になります」とだけ言ったけどシカトされた。
心良く思っていないのは分かっていたことだ。
199:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:11:35.15 ID:cLHnL3TiO.net
新しい布団が気持ち良かったんだろう。すぐにハルは眠ってしまった。
ヒロシおじさんが、また明日ゆっくり話そうと言って二階の寝室に上がっていった。
俺が眠りにつこうとすると、カズエおばさんにリビングに来るように言われた。
200:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:12:48.90 ID:cLHnL3TiO.net
テーブルに、大きなおにぎり2つとお味噌汁が置いてあった。
俺は黙って座りそれを口にした。
急に胸が締め付けられる。
俺「うまい…」
カズエおばさん「良かったw」
201:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:15:18.96 ID:cLHnL3TiO.net
また泣いてしまったんだよ。
泣きながらおにぎりを頬張った。
口いっぱいに詰め込んで。
俺「おばふぁん…エグッ
あじがと(ありがとう)エグッ…」
カズエおばさんの優しさがすごく辛かった。
こんな俺なんかにここまでしてくれて、すごく感謝したんだ。
人の優しさに感謝したのは初めてかもしれない。
202:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:16:50.24 ID:cLHnL3TiO.net
だからかもしれないけど、今まで食べたおにぎりで一番うまかったと思う。
今でも、忘れることはない。
俺って結構泣き虫なんだなw
そう思った。
カズエおばさんは、黙ったまま笑顔で俺が食べているのを見てた。
203:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:18:13.13 ID:cLHnL3TiO.net
明日は仕事早いのでもう寝ます。
見てくれてる人申し訳ない。
204:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:23:16.17 ID:757Rok/c0.net
205:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:23:38.61 ID:tMBUXb970.net
206:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:33:24.85 ID:Pxe4EwVLO.net
続き待ってます
207:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:34:19.06 ID:aFX+WwkV0.net
おやすみ
210:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 03:08:18.48 ID:F/KjYQkN0.net
212:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 03:22:25.59 ID:YZGDy86Mi.net
219:名も無き被検体774号+:2014/07/14(月) 10:39:58.86 ID:KMyDKk+9x
続きまってるぞ
220:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 11:56:22.93 ID:uCT6FhyMO.net
229:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 16:36:05.25 ID:N59iWv8C0.net
235:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 18:48:56.21 ID:ZqxQARJGi.net
支援
238:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 20:51:56.63 ID:8mKNQMFw0.net
248:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:31:26.94 ID:cLHnL3TiO.net
仕事でようやく帰宅できた。
今から休憩中に書いた分は投下します。
後、いろんな意見や指摘ありがとう。
他にも細かい疑問とかあるだろうけど、結構端折るし忘れてることもあります。これから書いて行くこともあるからスルーしててくれると助かる。
ちなみにこの時はオムツはまだ取れてないんだ。
保育園では貸し出しの紙オムツ使ってたし、常備布オムツだったからループ使用してた。
生まれてすぐはしょっちゅう変えてたからうまいもんだったよ。
249:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:32:33.37 ID:QzJ2ECkV0.net
250:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:33:05.90 ID:cLHnL3TiO.net
次の日朝早く起きて、ヨシノさんに何か手伝いすることがあれば何でもすると言った。
が、空気のように無視された。
俺は玄関前やら家の中を勝手に掃除した。
居候の身だし、
何もしないわけにもいかないしな。
251:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:35:43.03 ID:cLHnL3TiO.net
保育園に連絡して、
理由は言わずに当分休むとだけ伝えた。
ハルはカズエおばさんが見てくれると言うので、頼んで家を出た。
現場作業の面接があったからだ。
おばさんは落ち着くまでは家にいていいと言ったけど、そう言うわけにもいかない。
252:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:35:55.77 ID:ftKyW2eN0.net
待ってたよ
253:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:36:56.87 ID:cLHnL3TiO.net
早く住む家を探す必要があったけど、まずは仕事が優先だと考えたんだ。
254:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:39:36.88 ID:cLHnL3TiO.net
かなりきつい仕事だけど大丈夫か?」
建設会社の社長が、履歴書をサッと目だけ通して机に置いた。
俺「あ…はい」
社長「いいよ。うちで働いてみな」
俺「えっ、大丈夫なんすか?
俺職歴も学歴もないっすよ」
255:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:41:48.56 ID:cLHnL3TiO.net
うちはそんなの関係ねーよw
やる気があればそれで十分だw」
どうせ無理だと思っていたのに、あっさり雇ってくれた。
住所不定で職歴のない俺をだ。
ちょっと拍子抜けする俺。
俺「あ、あ、ありがとうございます。
頑張ります」
社長「おう。
いつから働ける?
なんなら今から働くか?」
俺「是非。
お願いします。」
この社長、本当に優しかった。人当たりもいいし。
めちゃくちゃ嬉しかった。久しぶりの労働で少し不安もあったけど。
でも頑張ろうって思ったんだ。
256:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:44:51.50 ID:mFaRvKVp0.net
257:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:46:59.73 ID:cLHnL3TiO.net
作業員みんなが集められ、簡単な紹介で作業が始まる。
重機で解体した廃材を指定の位置に置き仕分ける。それを運んでトラックに積むと言う作業だ。
肉体労働は始めてで、つってもまともに働くのも久しぶりなんだけどとにかくきつかった。
体中汗でびっしょり、廃材を持つ腕が痺れる。
それでも一生懸命作業した。
259:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:48:19.60 ID:9LekAFqK0.net
最後まで読むよ
260:名も無き被検体774号+:2014/07/14(月) 23:55:09.85 ID:iWpxrccYF
261:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:49:10.22 ID:cLHnL3TiO.net
今まで働いていた職場とは全然雰囲気が違い驚いた。
みんな楽しそうに仕事してんだよな。
現場監督「おい新人!休憩するぞー。」
そう言ってミネラルウォーターを渡された。
キンキンに冷えてる。
喉を潤わす為一気にそれを飲み干した。
めちゃくちゃうまかった。
体中に染み渡るのが分かる。
ちょっと前まで汗を流して働くことなんて考えられなかった俺。
こんなに水がうまいと感じたことなんてあっただろうか?
262:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:49:20.61 ID:tMBUXb970.net
263:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:50:46.48 ID:cLHnL3TiO.net
「兄ちゃん今日からやろ?」
初老のおじさんが関西弁で話しかけてきた。
おじさん「兄ちゃん若いのにw
何でこんな仕事しようと思ったん?
さてはわけありやな?w」
ぶっきらぼうな人だ。
俺「まー、はい。」
264:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:52:55.19 ID:cLHnL3TiO.net
俺も昔は社長だった。だけど倒産して借金かかえて、妻と子供に逃げられたと。
山下「それでもこうやって何とか生きてけてんねんw
オレももうすぐ60やけど、人生やり直しは聞くw
兄ちゃん若いねんからなおさらや。
どんなわけありでも頑張りやw
生きてたらそのうちいいことあるからなw」
笑いながら話している山下さんに何故か好感を持てた。
265:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:54:54.76 ID:ftKyW2eN0.net
266:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:55:00.08 ID:cLHnL3TiO.net
疲れた。でも仕事見つかってよかった。
きついけど作業場の人達は良い人そうだしなんとかやっていけそうだ。
社長から日当を日払いで手渡された。
茶封筒には6000円入っていた。途中から働かせてもらったのにな。
思わず「こんなにいいんすか?」って言ってしまったよ。
帰宅までの道のり、疲れているのにいつもより足取りが軽かった。
真っ暗だった道筋に少し光が差したような気分だ。
267:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:55:54.56 ID:ZqxQARJGi.net
仕事お疲れ
見てるぞ
270:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:01:28.33 ID:5+fbzMw2O.net
ハル「キャハッw
あーーーうw」
ハルが大喜びで駆け寄ってきた。
俺は高い高いして、
俺「ただいまw」
て言うと
ハル「たらいまーw」
って満面の笑みで返してきた。
すごく癒されるな。
ハルの笑顔で1日の疲れもぶっ飛ぶ。
明日も頑張ろうって気持ちになった。
271:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:02:38.89 ID:5+fbzMw2O.net
キョロキョロして俺ちゃんのことずっと探してたんだと思うわ。
パパ帰ってきて嬉しいねw」
俺「すいません。迷惑かけました。
面接ですぐ働けるか?って言われたんすよ。」
カズエおばさん「そうよかった。
仕事決まって本当に良かったねw」
ヒロシおじさんに呼ばれて、一緒にご飯を食べさせてもらった。
272:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:04:26.34 ID:5+fbzMw2O.net
俺は早く住む家を探すとだけ言った。
俺「あのこれ。」
俺は今日の日当分6000円の茶封筒テーブルに置いた。
俺「本当に少ないっすけど。
とりあえず当面の食費や、迷惑かける分。
また少しでもお金が貯まったら渡します。」
本当は酒や煙草、ハルのお菓子なんかを買ってあげたかった。
でも今はっきりしてるのは、この人達に迷惑かけてることだけだ。
273:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:05:26.94 ID:5+fbzMw2O.net
そんなの受け取れないわよ。
ハルちゃんのために使ってあげなさい」
ヒロシおじさん「分かった。
これは受け取る。」
そう言ってお金をポケットにしまった。
ヒロシおじさんは、ちゃんと俺の気持ちを汲み取ってくれたんだ。
275:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:08:37.85 ID:H70HxBXV0.net
276:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:09:33.31 ID:5+fbzMw2O.net
あのクズな俺がだ。
何よりハルの存在が大きかったと思う。どんなにきつい現場作業もハルのことを想い出せば頑張れたんだ。
俺自身、自分の変化に気づきはじめてきた。
ハルが成長するように、俺も少しずつ成長しているのかもしれないって。
278:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:11:49.25 ID:LnAZ5WU30.net
最後まで頼むぞ
279:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:11:59.93 ID:5+fbzMw2O.net
でもこの時が初対面だよ。
続き
そんな時だった。
その日は大雨で仕事が中止になり、昼過ぎに帰えることになった。
帰宅すると、
ハル「ギャーーッ!」
リビングからハルの泣き声が聞こえる。
あちゃーまた俺のこと探して泣いてんのか?
なんて思いながら上がりこんだ。
それと同時に、
「うるさーい。
黙れー!」
と大きな怒鳴り声が聞こえた。
280:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:13:35.16 ID:RSVBAHZd0.net
281:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:14:32.22 ID:xbcikuO1i.net
286:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:16:05.62 ID:BbRjIQDT0.net
ワロタwwww
282:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:14:36.33 ID:3hQk8/G30.net
284:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:14:38.02 ID:5+fbzMw2O.net
リビングを開けると、ハルが泣きながら座りこみ。ヨシノおばさんが目の前に立っていた。
俺「何してんすか?」
俺はヨシノおばさんを睨みつけて、ハルを抱きかかえた。
俺「どうした?
何で泣いてる?
カズエおばさんは?」
一瞬テンパってハルに質問攻めしてしまった。
ハルは俺にしがみついて、
ハル「パッパー、エグッ。パッパー、ヒック。エーーン」
大泣きしている。
最初は虐待でもされているのかと思ったけど、そうではなかった。
285:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:15:59.01 ID:3hQk8/G30.net
287:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:16:09.27 ID:RSVBAHZd0.net
よかった
288:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:19:58.80 ID:AvaTnFhj0.net
294:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:40:04.46 ID:5+fbzMw2O.net
これ見なさいよ。」
ヨシノおばさんがビリビリに破けた、哀れな姿になった教科書を見せてきた。
俺はハルを立たせて、
「本当か?
お前がやったのか?」
強い口調で問いただした。
俺の言葉なんて理解できてるわけないけど、せっかく居候させてもらっているのに何てことしてくれたんだって思った。
295:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:41:29.96 ID:nt+QrETO0.net
296:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:42:11.50 ID:5+fbzMw2O.net
迷惑かけんなバカヤロー!」
カッとなって怒りのまま俺はハルを叱った。
ハル「あーーっ!
ギギギギーっ!
いやーーー!」
ハルは泣きながら俺に怒った。
きっと俺が怒っているのを見てテンパったんだろう。
俺「あの、本当にすいません。
教科書は弁償しますから。
本当すいません」
ヨシノおばさん「当たり前でしょ。
それに夜この子の泣き声うるさいのよ。
サキは受験生なの。ちょっとは気をつかいなさいよ。
もぅまったく」
297:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:45:30.28 ID:O0vnThum0.net
ハルかわいそう
299:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:47:16.03 ID:5+fbzMw2O.net
カズエおばさんは体の調子が悪いみたいで横になっていたらしい。
カズエおばさん「ちょっとだけ一人で遊んでもらってたの。
俺ちゃんごめんなさいねー」
俺「俺の方こそいつもハルを見てもらってすいません。」
ハルは呑気に、買って帰った好物のラムネを食べていた。
ハル「ラムネーw。ラムネーw」
機嫌よくしている姿を見て少しイライラした。
本当は分かってるんだ。
この子は何も分からないし知らない。
ただ遊んでいただけなんだよ。きっと。
でも今のこの状況で俺は、お前を叱ることしかできないんだ。
300:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:48:57.37 ID:5+fbzMw2O.net
またあんな悪戯をしたらどうしよ?
保育園とは違うんだから。
ハルがしたことは全て俺の責任になるんだ。
やっぱりすぐにでも家を探すべきか。
そう思いながらハルの寝顔を見つめた。俺はグッタリして眠りについた。
301:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:49:30.77 ID:6QVzFwDC0.net
303:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 00:53:09.14 ID:JpyNu82r0.net
306:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:15:43.42 ID:5+fbzMw2O.net
いつも通りハルをカズエおばさんに預けた。
今日のハルはグズっていた。
俺の足にしがみついて離れない。
俺「すぐ帰ってくるからな。
またラムネ買って帰るから」
ハル「ラムネー?
ちょだーい。」
俺はハルに残っていたラムネを渡した。
307:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:17:09.02 ID:5+fbzMw2O.net
パパ早く帰るから」
そう言って泣き出すハルを置いて家を出た。
仕事中ハルのことが心配で仕方なかった。
また悪戯してないかってこともあったけど、何よりハルに怒鳴るヨシノおばさんの姿が頭から離れない。
他人に息子を泣かされるなんていい気はしないよな。
308:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:19:16.30 ID:5+fbzMw2O.net
ハルは嬉しそうに俺に抱きついてきた。
どうやら何もなかったようだ。
少しホッとしながらスーパーで買ってきた惣菜を出して、ハルに食べさせた。
すると、
ヨシノおばさん「ちょっと来てくれる?」
とリビングに来るよう言われた。
311:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:21:13.01 ID:5+fbzMw2O.net
ヨシノおばさんがべっとりとシミのついた服を見せてきた。
俺「どうしてくれるって言うのは?」
ヨシノおばさん「これその子がやったのよ。」
俺はハルを見た。
ハルはヨシノおばさんから顔を背け、俺の胸にうずくまっている。
どうやらハルはこの人が嫌いなようだ。俺も嫌いだ。
312:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:23:57.08 ID:hkNsp7yE0.net
314:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:24:29.88 ID:5+fbzMw2O.net
ヨシノおばさん「見てないわよ。
でもその子以外に誰がこんなことするのよ
あんた達がこの家に来てからろくな事がないの。」
俺「……」
もしそれが本当なら言い返す言葉もない。
どうやら今日もカズエおばさんが体調が悪いから、少しの時間一人で遊ばせていたらしい。
その間葡萄ジュースをハルに持たせていたとのこと。
317:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:26:45.34 ID:5+fbzMw2O.net
親バカで、ただハルが犯人じゃないと思いたかっただけなのかもしれない。
証拠があるのにだ。
それでも俺はハルが犯人じゃないと言い張った。
エゴかもしれないが、どうしてもハルがそんなことするとは思えなかったんだよ。
結局カズエおばさんが起きてきて、その場は収まった。
318:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:28:08.33 ID:AvaTnFhj0.net
319:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:31:51.21 ID:5+fbzMw2O.net
明日も早いので。
せっかく見てくれているのに、勝手をどうか許してくれ。
321:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:32:56.03 ID:GMxGuATc0.net
おつかれ
明日必ず来るなら許してやるよ!
読みやすいは
324:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:33:21.52 ID:hkNsp7yE0.net
おつ
早くハッピーエンドにしてください
323:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:33:19.47 ID:AvaTnFhj0.net
ゆっくり休んで
325:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:37:05.28 ID:JpyNu82r0.net
また明日頼むな
326:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 01:41:23.29 ID:eaIYk9tai.net
楽しみにしてるぞ
328:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 06:09:52.98 ID:LaabgiRD0.net
330:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 07:43:19.50 ID:IZugeKq70.net
333:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 09:15:44.02 ID:RSVBAHZd0.net
334:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 09:47:33.40 ID:Tv2qM381i.net
354:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 22:37:52.30 ID:5+fbzMw2O.net
今からシャワーを浴びたら書きます。
355:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 22:39:56.29 ID:c0MuULtv0.net
ゆっくり待ってるよー
357:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 22:42:11.42 ID:u3DjXbVi0.net
362:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:23:31.62 ID:5+fbzMw2O.net
続き
こんな時って眠れないもんなんだな。
体は仕事で疲れてるんだけどさ。
俺さ小学の時はいじめられてたんだよ。
て言っても悪質なやつじゃないんだけどな。
とりあえずクラス全員から嫌われてた。
家が貧乏で母ちゃんがいなかったから。
親父が爺ちゃんぐらいの年ってこともあったんだと思う。
363:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:24:32.49 ID:5+fbzMw2O.net
校庭のドブで見つかったんだけど、
クラスの奴等は俺を非難したんだ。
「お前んち貧乏だからだろ?」
「最低ー」
みたいな感じで。
364:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:25:45.36 ID:5+fbzMw2O.net
当然親父も呼び出されたわけだけど。
親父は俺に「お前が本当にやったのか?」
って聞いてきた。
俺「してないよ」
俺の目をしっかり見て、
親父「そんなことうちの息子がやるわけない。
あんたら教師まで疑うのか?
ふざけるな」
っていつも穏やかで温厚な親父が、ムキになって怒りだしたんだ。
365:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:27:08.85 ID:5+fbzMw2O.net
子供ながらにな。
帰り道親父が俺の手を引っ張って言ったんだ。
親父「俺!!
父ちゃんはお前のこと信じてるからな。
父ちゃんは絶対にお前がやってないって分かってるんだ。
あんな恥ずかしい姿見せてごめんな」
366:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:28:47.63 ID:5+fbzMw2O.net
正直驚いた。
でも俺は疑われても仕方なかった。
すぐむかついたら、クラスのやつをぶん殴って泣かしてたし。
クラスで買ってたカメを、勝手に池に逃がしたりしたことがあって、それをクラス全員に責められて暴れたこともあった。
本当に問題児だったんだ。
367:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:32:09.03 ID:5+fbzMw2O.net
みんなに疑われてもしかたないんだ。
何で父ちゃんは俺のこと信じるの?
本当に俺がやってたらどうすんの?」
親父「父親が息子信じなくてどうする!」
いつも強がってた。悪ガキぶって泣いたら負けだと思っていた俺も、さすがに泣いてしまった。
その言葉で十分救われたんだ。
親父は俺の頭をクシャクシャして。
368:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:33:25.77 ID:5+fbzMw2O.net
悔しいだろうけど、悪くないなら悪くないって言い続けろ。悪いことしたらちゃんと謝れ。」
昔の記憶がよみがえる。
俺は眠るハルの髪をクシャクシャしながら、
父親の俺が息子を信じなくてどうすんだって、独り言を呟いた。
朝がきて、俺はハルをおぶって仕事場に向かった。
ハルを置いて仕事に行くのが不安だったからだ。
369:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:35:19.44 ID:5+fbzMw2O.net
社長に事情を説明すると、
現場は駄目だから事務に置いていくならいいと言われた。
理解がある人で本当に助かったよ。
370:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:36:48.51 ID:5+fbzMw2O.net
昼は会社に戻ってハルとコンビニ弁当を食べた。
ハルは嬉しそうに食べてた。
俺もハルのそばにいて安心できた。
お利口にしてたみたいだし。
事務員「この子めちゃくちゃ可愛いね。
将来イケメンだわw」
息子を誉められて悪い気はしないもんだ。
作業が終了すると、社長がみんなでご飯に行こうと誘ってくれたので、その言葉に甘えることにした。
371:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:39:46.00 ID:5+fbzMw2O.net
ハルは人が多いせいか少しグズっていた。
社長に酒をすすめられたけど、ハルもいるので断った。
帰宅したのは少し遅い時間になった。
ハルは俺の背中でぐっすり眠っている。
ハルを起こさないよう、静かに家に入る。
372:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:40:12.93 ID:abqyMRAO0.net
373:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:40:45.63 ID:5+fbzMw2O.net
遅くなりました。とだけ伝え部屋に入った。
ヒロシおじさん「俺くんちょっといいかな?」
戸を少し開けヒロシおじさんが顔を出した。
少し険しい表情に、何かあるなと感じた。
374:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:42:13.22 ID:5+fbzMw2O.net
何か言い出しにくそうにしていたので、
俺「あの…昨日はすいません。
奥さんの服汚れちゃったみたいで。」
俺から話しをふった。
ヒロシおじさん「いや…いいんだよ。
そんなこと気にしなくても」
相変わらず気まずい雰囲気だ。
375:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:43:14.83 ID:5+fbzMw2O.net
ヒロシおじさん「これなんだけど…」
俺に見やすいように、そばに近づける。
自立支援相談?
サッと目を通した。
376:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:45:29.44 ID:5+fbzMw2O.net
迷惑かけますがもう少しだけ待って下さい。
すぐ家を探して出ていきますんで。」
思い出したくない過去が脳裏をよぎる。
ヒロシおじさん「いや、そんなつもりで言っているんじゃないよ。
本当に心配なんだ。」
見え見えだ。
早く出ていけ、面倒はごめんだと顔に書いてある。
379:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:49:43.29 ID:5+fbzMw2O.net
部屋に戻って先程のパンフレットをもう一度見た。
少し手が震えている。
俺にはトラウマがあった。
380:名も無き被検体774号+:2014/07/16(水) 00:00:39.93 ID:x97oRdac4
1もハルも応援してるよ
381:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:52:36.51 ID:5+fbzMw2O.net
親父が現場仕事で大怪我をした。
入院した親父と俺に残されたのは借金だけだ。
勿論家賃が払えず今にも追い出されそうな勢い。
毎日借金取りが家に来ていたのは言うまでもない。
382:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:53:37.18 ID:5+fbzMw2O.net
そしてとうとう奴等が来た。
児童相談所の職員だ。
俺はすぐ養護施設に入れられた。
親父が迎えに来るまでの1年間すごく辛かったのを覚えている。
当時6歳だった。
383:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/15(火) 23:59:24.81 ID:5+fbzMw2O.net
育てていく自信なんてなかったからな。
でも今は違うんだ。
父親になるって決意した。
何があってもこいつを守るって決めた。
それはもう揺るがないものになってる。
短い時間だけど、ハルと過ごして沢山何かをもらった。
何かを感じた。
今ハルは、俺にとって掛け替えのない宝物なんだ。
どんなことがあっても手放さない。
どんなことがあっても。。。
俺はパンフレットを丸めてゴミ箱に捨てた。
384:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:00:24.45 ID:7uhA5R94O.net
同じようにハルを連れて仕事に出た。
お金は少しはできたけど十分とは言えない。
とりあえず働かなきゃな。
作業中何度も携帯が鳴った。
気になったので不在着信を確認。
カズエおばさんからだ。
俺はすぐに電話をかけ直した。
385:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:03:33.88 ID:7uhA5R94O.net
どうした?」
「あの…
私サキです」
電話に出たのはヒロシおじさんの娘のサキだ。
俺「どうしたんすか?」
サキとは家で顔合わすだけで話したことはなかった。
サキ「おばあちゃん昨日入院したんですけど…」
昨日は遅く帰ったし、ヒロシおじさんから何も言われてないので知らなかった。
サキ「おばあちゃんが俺さんに会いたいって。
今から病院にこれますか?」
386:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:04:37.09 ID:7uhA5R94O.net
俺はハルを連れ病院に向かった。
病室に入ると、カズエおばさんと横にはサキが座っている。
俺が会釈すると、
サキ「ハルちゃん。
私が見てます。」
と言ってハルの手を引き病室を出ていった。
387:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:06:00.97 ID:7uhA5R94O.net
カズエおばさん「大丈夫よw
ただどうも胸が苦しくてねw」
カズエおばさんは思っていたより元気そうだった。
カズエおばさん「わざわざ呼び出してごめんねw
当分家には帰れそうにないんだ。」
俺「うん」
388:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:06:36.80 ID:J3diCumJ0.net
390:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:07:07.24 ID:7uhA5R94O.net
昔からおばあちゃん子でねw
お見舞いにきてくれるのはあの子だけよ。」
今日電話で話したのが初めてなんだが、想像してたのとは違ったのは確かだ。
世間話を簡単に済ます。
391:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:08:19.71 ID:7uhA5R94O.net
私のせいでハルちゃんに辛い想いさせて。
俺ちゃんにも心配させた。
どうしても謝りたかったの。」
カズエおばさんは涙を流しながら俺に謝ってきた。
俺に謝ることなんて何一つないのにだ。
とてつもない迷惑かけてる、本当は俺の方が謝らないといけない。
392:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:10:24.24 ID:7uhA5R94O.net
俺のことは心配しなくていいから。
早く元気になってよ。」
おばさんがありがとうと言いながら枕元から封筒を出した。
カズエおばさん「これ使って。
これで家を借りてハルちゃんと二人で暮らしなさい。
今の状態では何もしてあげられないからね。」
そう言って現金の入った封筒を俺に渡した。
中味は確認してないけど、かなりの金額だった。
俺「おばさんありがとう。
でも俺大丈夫だからw
もう家も見つけたよ。
おばさんのおかげでハルとやっていけそうだ。
だからこれはいらないよ。」
俺はその封筒をおばさんに返した。
393:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:15:06.99 ID:J3diCumJ0.net
396:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:16:52.52 ID:7uhA5R94O.net
本当に助けてもらってばかりだ。
気持ちだけで十分。胸がいっぱいになった。
これ以上何かしてもらうなんて罰が当たると思った。
病室を出てサキからハルを預かった。
俺「迷惑かけたっすね」
サキ「ハルちゃん本当に可愛いw
弟にしたいw」
俺「ありがとう」
397:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:17:56.91 ID:7uhA5R94O.net
サキ「あの、すいません。
母がごめんなさい」
と言ってきた。
サキ「ハルちゃん悪戯なんてしてませんから。
私知ってるんです。教科書も服も母が自分でやったんです。
本当にごめんなさい。」
教科書は部屋に置いていて、ハルが手に届くはずがない。
服もヨシノおばさんのお気に入りだったらしい。そんなものをハルが悪戯できるような場所に置いているはずがにいと言うことだった。
461:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 23:32:03.17 ID:DNwzBi8M0.net
やっぱり冤罪やんけ
398:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:19:35.85 ID:7uhA5R94O.net
こっちも。
受験で大変な時期に迷惑かけて。」
そう言って病院を出た。
何故ヨシノおばさんがそんなことするのか理解に苦しんだ。
まあ俺とハルが邪魔で仕方なかったんだろう。
俺の腹は今にも煮えくり返りそうだった。
俺はその脚でカズエおばさんの家に向かった。
黙って家に入り荷物をまとめた。
399:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:24:51.83 ID:7uhA5R94O.net
おばさんはびっくりした顔でこちらを見ている。
俺「お世話になりました。
もう出て行くので。
ヒロシおじさんにもお伝え下さい」
強い口調で言って深々と頭を下げた。
400:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:25:12.38 ID:oQovU/sa0.net
401:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:26:39.38 ID:7uhA5R94O.net
そうなの。
愛想なくてごめんなさいね。
何もしてあげられなかったけど元気でね。」
白々しいやつだ。
俺「もし…
もしこれから外であんたと出会って、もしハルが悲しむようなことがあったら。
何が何でも絶対に許さないっすから。」
と捨て台詞を吐いて家を飛び出した。
その時の俺どんな顔してたんだろうな。
相当怒ってたし恐かったと思う。
402:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:27:29.95 ID:90od9UcB0.net
403:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:28:49.83 ID:7uhA5R94O.net
辺りは暗がり始めてる。
ハルは公園に入るなりハシャいで滑り台を滑り始めた。
その姿を目で追いながら茫然として立ち尽くしていた。
針でチクチク刺さるように胸が痛くて苦しくなった。
病気とかじゃなくてな。
何でかって?
それはハルを少しでも疑ったからだ。
すぐに信じてやらなかった。
本当はヨシノおばさんが悪いとかじゃないんだ。文句垂れられながらも住まわせてくれていたんだし。
ただの八つ当たりじゃないか。
405:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:35:31.64 ID:7uhA5R94O.net
俺はハルを怒りのまま怒鳴ってしまった。ハルは怒ってたけど、あの時ハルは本当に俺に怒っていたのかもしれない。
何で信じてくれないのって。
俺は本当にグズだよな。ハルごめん。本当にごめん。
自分の不甲斐なさに嫌気がさす。
砂場で遊ぶハルに詰め寄り強く抱きしめた。
今にも涙がこぼれ落ちそうだったけど、グッと我慢してこらえた。
ハル「パッパーもうイタいー?」
俺「痛くないよ。
悲しいだけ」
ハル「いたくないにょー?」
俺「うんうん」
ハルはまた嬉しそうに滑り台によじ登った。
406:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:36:57.36 ID:J3diCumJ0.net
かわええなぁ
407:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:37:21.02 ID:P9Ssm1lg0.net
408:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:37:53.74 ID:7uhA5R94O.net
レス少ないけど今日はこれぐらいで寝ます
412:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:43:50.75 ID:nQoOW5Ot0.net
おつ
さっさと終わらせてほしい
社長には少しの時間って言ってるのにばっくれてんじゃん
415:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:53:30.73 ID:7uhA5R94O.net
色々な意見、指摘もな。
>>412
続きに経緯を書くからスルーしてくれ。
ハルのこの時の年も気になってると思うが、追々書くんで見ててくれると助かる。
すまん。
ではおやすみ
409:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:39:56.94 ID:+DyiRd5j0.net
410:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:42:04.17 ID:pWEiI2tb0.net
411:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:43:17.35 ID:oQovU/sa0.net
ハルちゃんかわええ・・・
立派に育ててやってくれよ!!
418:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 01:10:46.89 ID:3yx02xkh0.net
421:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 03:29:19.70 ID:8aT2BmsQ0.net
422:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 05:07:48.47 ID:kO2CKzK60.net
424:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 05:32:15.98 ID:10ic4V5si.net
結論的には。
そう思っておきたい。
432:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 15:40:07.07 ID:aMgm9IEX0.net
この先も楽しみにしてます!!
433:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 16:12:28.45 ID:Uo62e4jl0.net
438:名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 18:48:43.41 ID:LOaZCShm0.net
引用元:クズの俺が父親になった話