「先生さようならー!」
「はいさようなら~」
私ももう「先生」なんて呼ばれるようになっちゃったか…
この廊下も、
この階段も、
あの頃と一緒だね
ギシギシ
ちょっとおじいちゃんになっちゃったみたいだけど
ガラガラガラ
「おじゃましまーす」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:03:38.43 ID:I7K1EYuf0
神SSの予感・・・
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:11:23.17 ID:3QXrZ3qSO
生徒A「あ!平沢先生!」
生徒B「違うよ!『ゆい先生』って呼ぼうって決めたじゃんか!」
生徒A「あははそうだっけ?」
唯「またお茶会?ちょっとはちゃんと練習したら?」
生徒B「いいじゃーんたまにわ~」
唯「もっと軽音楽部らしいことやりなよお!」
生徒C「まあまあ」
唯「んもう…」
変わらないなあ…本当
生徒A「ゆい先生も座ってくださいよ!」
生徒B「あ!そうだ!前言ってたゆい先生が軽音部だった時の話してよ!1番面白いやつ!」
唯「まったく…じゃあ話してあげるから終わったらちゃんと練習するんだよ?」
生徒「はーい!」
唯「私が高校3年生の時の話なんだけどね――――――――――――、
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:12:40.21 ID:3QXrZ3qSO
憂「お姉ちゃん!早く起きないと学校遅刻しちゃうよ!
唯「うぅ…」ムクッ
唯「眠い…」バタッ
憂「もう!お姉ちゃん遅刻しちゃうよ?」
憂「…って……あれ?お姉ちゃん昨日朝に部活あるって言ってなかったっけ?」
唯「あ、そうだっけ?」ムクッ
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:16:00.76 ID:3QXrZ3qSO
唯「行ってきばふ」モグモグ
憂「転ばないようにねーっ!」
唯(もう完全遅刻だよぉ!)
唯「もう夏だなあ」
唯(…………)
唯(あーあ、明日で1学期も終わりか…)
唯(夏休みはたくさん勉強しなきゃな…)
唯(…………)
唯(早いな~三年間…)
唯(いつの間にか…高校生活も終わって…)
唯(皆それぞれの道に進んで)
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:19:31.65 ID:3QXrZ3qSO
唯(……もっと……もっと皆といたいのになあ……)
唯(一緒にバンドしてたいよ)
唯(もっと……)
タッタッタ
唯(もっ――――――――――、
キキー
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:20:41.24 ID:3QXrZ3qSO
梓「唯先輩遅いですね」
律「ったく、あいつが『りっちゃん!明日の朝ちょっと練習しようよ』とか言ったくせにい!」プンスカ
澪「唯……まさか事故にでも……」
紬「唯ちゃんのことだから寝坊じゃない?すぐ来るわよ」
澪「それならいいんだけど…」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:21:43.47 ID:3QXrZ3qSO
律「!」
律「唯からメール来てるぞ!」
澪「なんだって?」
律「『ごめん!寝坊しました!』だってさ。」
澪「ったく…」
梓「本当に唯先輩らしいというか」
律「まー時間ももったいないし、唯が来るまで合わせてようぜぃ!」
澪「そうだな」
律「1・2・3・4!」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:22:37.24 ID:3QXrZ3qSO
唯(私最初は不安だったんだよ?)
唯(ギターも弾けないし、歌もうたえないし)
唯(私なんかがここにいていいのかなあ、なんて)
唯(でもいつの間にかギターも弾けるようになって歌もうたえるようになって)
唯(大切な友達もできて)
唯(いつの間にかこんな時間がいつまでも続けばいいな~なんて)
唯(本当だよ?)
唯(でも神様はいじわるだよ)
唯(いつもいつも楽しい時だけ時間を早めちゃう)
唯(あーあ…これからどんな未来が待ってるんだろう…)
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:23:27.05 ID:3QXrZ3qSO
唯(でも皆と一緒なら大丈夫だよね…)
唯(きっと…)
唯(そう考えるとちょっと楽しいかも!)
唯(あ!そうだ!)
唯(ねえ!)
唯(澪ちゃん、りっちゃん、むぎちゃん、あずにゃん!)
唯(次は…)
唯(次はどんな歌にしよっか!)
女「きゃあああああああ!」
男「おい!大丈夫か!?誰か!救急車だ!救急車を呼んでくれ!早く!」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:26:03.08 ID:3QXrZ3qSO
律「遅い!」
澪「確かに遅い」
紬「もうHRの時間なのに…」
梓「そうですね……」
澪「にしても遅くないか?律にメール届いてから結構経ってるぞ」
律「むー、まあ教室にいるかもしれないし、とりあえず戻ろうか!」
澪「そうだな…」
梓「………」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:28:23.36 ID:3QXrZ3qSO
教室
律「あれっ……ここにもまだ来てないのか…」
澪「まさか…本当に事故にあったんじゃ…」
律「縁起でもないこと言うなっ!」バシッ
澪「でも……」
紬「澪ちゃんは心配し過ぎよ!」
澪「うん…………」
キーンコーンカーンコーン
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:30:08.74 ID:3QXrZ3qSO
純「梓、元気ないよ?」
梓「え?そう?」
純「なんかあった?」
梓「いや……ていうか憂まだ来てないね」
純「あー本当だ!」
純「むー、これは事件だ!憂が遅刻するなんて事件しかない!」
梓「」バシッ
純「いっ…たぁ~い!」
梓「そんな訳ないよ!」
梓(……憂まで……)
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:31:32.50 ID:3QXrZ3qSO
律「さわちゃんも遅刻かよぉ」
澪「職員会議が長引いてんだろ?」
和「それにしても唯…来ないわね」
律「ったく!人に心配ばっかかけやがってえ!」プンスカ
紬「まぁまぁ」
ガラガラガラ
律「もうさわちゃん遅いぞ!」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:33:58.14 ID:3QXrZ3qSO
山中「ごめんごめん」
澪「先生、唯は?」
山中「…………」
紬「先生?」
山中「ちょっと話があるわ。HR終わったら廊下に出てくれる?」
律(おい!唯お前何しでかしたんだ)
澪(唯どうしたんだろ…)
紬(唯ちゃん…)
和(唯…どうしたのかしら…)
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:36:17.01 ID:3QXrZ3qSO
ガラガラガラ
律「先生!」
山中「ちょっと来てくれる?」
会議室
山中「実はね…今電話がかかってきたの」
澪「電話?」
山中「平沢さん……………交通事故にあったって………………………」
紬「……そんな」
澪「……え?」
律「さ、さわちゃん冗談キツいぜ~ははは…」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:37:25.11 ID:3QXrZ3qSO
山中「私だって冗談だと思いたいわよ!」
律「…………」
澪「…本当に唯なんですか?」
山中「間違いないわ…平沢さんの妹さんがそう言ったそうだから」
紬「憂ちゃんが!?」
山中「私は今から病院に行くけど、あなた達は心配だろうけど学校が終わるまでは病院に行っちゃだめよ?」
律「そんな…先生!」
山中「信じなさい」
澪「でも…」
山中「あなた達の知ってる唯ちゃんはそんな弱い子だったかしら?」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:38:26.50 ID:3QXrZ3qSO
澪「ヒグッ………でも…」
山中「大丈夫よ……だいたいあなた達が泣いてどうするの?もう授業も始まるし涙拭いて教室行きなさい!」
律「先生!」ガシッ
山中「え?」
澪「私も!」ガシッ
紬「私も!」ガシッ
和「私のも」ガシッ
山中「わかった。あなた達のパワーは十分受け取ったわ!任せなさい!」
律「先生お願いします!」
澪(唯のばか…)
紬(大丈夫かしら…)
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:40:09.74 ID:3QXrZ3qSO
キーンコーンカーンコーン
梓(憂…今日休みなのかなぁ)
梓(それならなんで何も言ってこないんだろう…)
梓(……)
ガラガラガラ
梓「う…………どうしたんですか律先輩?」
律「ちょっと話があるから来い!」
梓(なんだろ…)
澪「梓…実はな、唯…学校来る途中に交通事故にあったらしいんだ」
梓「へ…………?」
梓「そんな!嘘です!嘘に決まってます!唯先輩ドジだけどそこまでバカじゃありませんよ!」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:43:13.16 ID:3QXrZ3qSO
澪「あ……梓…こ、これは…」
梓「皆して嘘つくなんて最低です!」ポロポロ
紬「梓ちゃん…」
律「そりゃこっちも一緒だ……」
律「みんな冗談であって欲しいって思ってるはずだ!」
梓「……グス」
律「学校終わったらすぐに病院行くから、玄関に来てくれ」
梓「…………」
澪「梓……」
梓「わかりました…」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:46:06.19 ID:3QXrZ3qSO
救急車
憂「目を覚ましてよ!お姉ちゃん!」
唯「…………」
憂「早く起きなきゃ学校遅刻しちゃうよ!」ポロポロ
唯「………」
憂「みんな待ってるの……お姉ちゃんのことみんな待ってるんだよ?」
憂「お姉ちゃん!」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:48:41.88 ID:3QXrZ3qSO
唯『私けいおん部入ることにしたんだあ』ニコニコ
憂『スゴい!』
唯『でねーギター買いたいんだけどさー……』
唯『うふふ~♪可愛いいね~』
唯『ギー太!寝るよ!』
唯『一緒にお布団入ろうね~』
憂『お姉ちゃん…フフフ』
唯『あ!私お風呂まだだった!』
唯『ギー太も一緒に入ろうね~』
憂(それはダメだよ!お姉ちゃん!)
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:49:59.13 ID:3QXrZ3qSO
憂「死んじゃったら…もうみんなと二度とバンドできなくなっちゃうんだよ……?」
憂「みんなにもう会えないんだよ……?」
唯『合宿に行ってきます!』
憂『お姉ちゃん…頑張ってきてね!』
唯『じゃあ!行ってきます!』
憂『いってらっしゃ……あ!お姉ちゃん荷物忘れてる!』
唯『あっ!』ビクッ
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:51:22.98 ID:3QXrZ3qSO
唯『明日の文化祭大丈夫かなぁ……』
憂『大丈夫だよ!きっと!』
唯『緊張して眠れないよお~』
憂『お姉ちゃんなら大丈夫だよ!』
憂「いっつも心配かけて……」
唯「………」
憂「本当ドジなんだから…」
憂「お姉ちゃんのばかぁ……」ポロポロ
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:51:28.69 ID:GywFY2PNO
もう涙腺緩んできた
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:52:45.51 ID:3QXrZ3qSO
律(嘘だろ…唯……)
澪(………唯…)
紬「行きましょう……………!」
律「お、おい!マジかよ?さわちゃん言ってたろ?授業終わるまではダメだって」
澪「私も我慢できないよ」
和「私がなんとかしてあげるからみんな行ってきなよ!」
律「そんなことできるのか?」
和「私これでも生徒会長なのよ?いまのうちに行って!」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:54:04.96 ID:3QXrZ3qSO
律「………」
律「悪い!」ガタッ
紬「ありがとう!」
澪「私梓呼んでくる!」
タッタッタ
和(唯……頑張って……)
ガラガラガラ
先生「起立!ん?そこの三人はどこ行ったんですか?」
和「三人とも早退しましたよ?」
先生「三人も………?」
和「はい」
先生「…………」
先生「あなたがそう言うならそうなんでしょう……じゃあ授業始めます」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:57:06.57 ID:3QXrZ3qSO
病院
律「はあはあ……先生!」
山中「あ……あなた達!」
澪「今日だけは許してもらえませんか?」
山中「まあ来ると思ってたわよ。どうせ」
紬「様態は…?」
山中「まだ……わからないの…」
憂「み、みなさん!」
梓「憂!……大丈夫?」
憂「………」
憂「………っ」
憂「私が学校に行こうとしたら道路に人がたくさん集まってて………ヒグッ」
憂「ボロボロになったギターがあっ……………て………」ポロポロ
憂「まさかとは思ったけど近づいてみたら……………」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 22:58:32.98 ID:3QXrZ3qSO
律「憂ちゃん……」
憂「みなさんにこんな心配かけて…」
澪「憂ちゃん…これは唯のせいじゃ…」
憂「みなさんごめんなさい…」
澪「………」
ガラガラガラ
山中「先生……様態は…?」
医者「一命はとりとめたました」
律「よかった…」
医者「……しかし…未だに意識はありません」
医者「意識が戻っても後遺症が残る可能性もあります」
憂「お姉ちゃん…」ポロポロ
医者「今はこの子を信じてあげてください」
山中「はい…」
梓(先輩…)
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:00:39.14 ID:3QXrZ3qSO
和「唯!」
澪「和……唯はまだ目を覚まさないんだ…」
和「………そう」
和(唯のばか…)
律「憂ちゃんはずっとここにいるのか?」
憂「はい…私いもうとですから」
律「………」
澪「憂ちゃんだけじゃ可哀想だな」
澪「私達も今晩ここにいるよ!」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:01:48.22 ID:3QXrZ3qSO
ガラガラガラ
憂「そんな…悪いです!」
紬「私達だって唯ちゃんの家族みたいなもんですもの」
律「唯だってみんながいた方が安心してるかもしれないしな!」
憂「みなさん…」
憂「本当にありがとうございます!」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:03:16.30 ID:3QXrZ3qSO
チチ…
律「じゃ私らはそろそろ学校行くね?」
憂「意識戻ったら連絡します!」
澪「わかった」
律「唯、行ってきます」
澪「早く学校来いよ!」
紬「美味しいケーキ用意しとくわね!」
梓「先輩…待ってますよ」
和「頑張って…唯……」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:04:41.97 ID:3QXrZ3qSO
律「早く5人でバンドしたいなー」
梓「そうですね…」
紬「まさかこんなことになるなんて…」
和「…」
澪「…」
律「で、でもさ!大丈夫だよ唯なら!『憂~アイス~!』とか言ってそのうち起きるんじゃないか?」
澪「…」
律「んまあ大丈夫だってぇ!今日中には起きるよ、きっと!」
紬「唯ちゃんなら平気よ、きっと」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:05:53.99 ID:3QXrZ3qSO
教室
律「まったく…明日から夏休みだってのに全然嬉しくないや…」
澪「本当だな…」
ガラガラガラ
山中「起立!」
「おはようございます」
律(やっぱりさわちゃんも元気ないや…)
紬(先生…)
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:07:47.27 ID:3QXrZ3qSO
純「あーずーさー」
梓「なに?」
純「いや顔が死んでたからさ…どうしたのかなあって」
梓「なんでもないよ!」
純「隠しごとしてるの見え見えなんだよ!この~」グリグリ
梓「ちょっと…やめてよ…」
純「また軽音部のこと?」
梓「……そう」
純「ふーん……」
梓(純にまで頼るわけにはいかないよ)
純(…………)
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:10:09.88 ID:3QXrZ3qSO
律「はぁー」グテー
律「あ、メール来てる」ガサゴソ
律「唯……」
澪「どうした?」
律「意識………取り戻したってさ!」
紬「本当!?」
律「とりあえず病院行こう!」
「おー!」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:11:10.05 ID:3QXrZ3qSO
病院
ガラガラガラ
律「失礼しまーす!」
和「あ、みんな!」
澪「和!」
和「いてもたってもいられなくなって先来ちゃった」
憂「みなさん!」
律「憂ちゃんこんにちわ!」
律「…それで様態は?」
憂「頭を強く打っただけで異常は特には無いそうです!」
澪「良かったな!」
憂「ただ…今また寝ちゃってて…」
唯「…………スピー」
紬「大丈夫そうね…」
澪「まったく心配かけさせやがって……」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:12:54.08 ID:3QXrZ3qSO
唯「…………………………っ……」
憂「ごめん起こしちゃった?」
唯「…………」ゴシゴシ
憂「お姉ちゃん!みんな来てくれたんだよ?」
律「まったく心配したんだぞ、このこの~!」
唯「…………」
唯「だれ?」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:15:03.47 ID:3QXrZ3qSO
律「あはっ………………あははは!こんな状況でよくそんなギャグ言えるな!」
憂「…お姉……ちゃん?」
和「そんな……」
澪「ゆ、唯?お前……」
唯「だれですか?」
紬「わ、私は?」
唯「………………………ごめんなさい……」
梓(記憶喪失……………?でもなんで二人は……)
梓「あ、あの!私は?」
唯「ごめんなさい、本当に思い出せないんだ………」
憂「お姉ちゃん………」
和(こんなことって………)
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:16:18.48 ID:3QXrZ3qSO
憂「今日はありがとうございました!」
律「おー!また来るよ!」
律「にしてもなんで憂ちゃんと和はわかったんだ?」
和「さあ?ただ…記憶が無いのは高校のことよね?」
澪「そうか…だから憂ちゃんと和はわかったのか………」
紬「で、でも!………意識が戻ったんだから良かったじゃない!」
梓「そうですよ!もし全部忘れてたとしてもまた一からやり直せば………」
律「一から……ねえ……」
律(文化祭まで2ヶ月しか無いんだけどな……)
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:18:09.44 ID:3QXrZ3qSO
音楽室
律「部活に来てみたものの……」
ミーンミンミン
紬「……」
澪「こんなことやっててもしょうがないし、練習しようよ!」
律「うし…やるかぁ……」
ジャカジャカジャーン
梓(なんだろ……この感じ…)
澪「………」
紬(全然楽しくない……)
律「こんな感じで終わるのかな………あたし達の部活……」
澪「………っ…」
律「これじゃあもとから四人でやってきたみたいじゃんか…」
紬「………」
梓「………」
澪「そういえば……」
律「ん?」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:19:18.25 ID:3QXrZ3qSO
澪「そういえば、去年の文化祭もこうだったよな…」
律「……」
澪「唯は絶対来る」
律「澪……」
澪「唯が見たらさ、笑われちゃうよ?『みんな暗いよ~!』ってさ」
梓「澪先輩…」
律「そうだな…やるか!」
紬「はい!」
澪(みんな待ってる)
澪(だから早く戻ってこい……唯………)
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:21:08.26 ID:3QXrZ3qSO
唯「憂~アイス~!」
憂「あるわけないでしょ!ここ病院!」
唯「うぅ~」
憂「お姉ちゃん本当に覚えてないの?」
唯「何を?」
憂「軽音部のこと…」
唯「けいおん……?」
憂「お姉ちゃんその軽音部に入ってたんだよ!」
唯「私が?」
憂「そう!」
唯「そのけいおん部で何をしてたの?」
憂「ギター弾いて歌ってた!」
唯「ないない!そんなのできるわけないよー!」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:22:13.35 ID:3QXrZ3qSO
憂「それで昨日の人達はその軽音部の人達だったんだよ!一緒に『放課後ティータイム』ってバンドしてたんだよ?」
唯「ほうかごティータイム?」
唯「……………」
憂「ま、まーそんな気にすることないよ!」
憂(お医者さんに無理に思い出させちゃダメだって言われてるもんね……)
唯(私………)
ミーンミンミン
唯(何やってたんだろ……)
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:23:38.52 ID:3QXrZ3qSO
病院
律「こんちわー!」
憂「みなさん!」
律「唯!元気してるか~?」
唯「………」
澪「やっぱりまだダメか……」
唯「あ、あの!」
律「ん?」
唯「私……けいおん部で何してたの?」
律「………」
律「ほとんど毎日放課後はお茶会だったけど、唯はやるときにはちゃんとギターの練習してたよ」
唯「ギター………」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:25:11.40 ID:3QXrZ3qSO
梓「ギター……そういえば憂、ギターってどうしたの?」
憂「ギター?ギターなら家に持って帰ったけど…」
澪「どうした?」
梓「あのギター見せたら思い出すかもしれません!」
律「確かに……よし!じゃあ憂ちゃんお願いできるか?」
憂「ま、待ってください!あのギターすごい壊れてて修理にださないと…」
澪「そうなのか………?」
憂「じゃあこれから皆で行きましょうか!」
唯「…………」
憂「お姉ちゃん、ちょっとでかけてくるね?」
唯「うん」
ガラガラガラ
唯「…………」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:27:34.58 ID:3QXrZ3qSO
紬「修理できない!?」
店員「さすがにこの壊れようだと…」
店員「新しいものをお買い上げになったほうがよろしいかと…」
律「本当に無理なんですか?」
店員「はい…」
憂「お…お願いします!」
店員「……」
憂「それはとっても大事なギターなんです!」
憂「本当にお願いします!」
梓(憂……)
梓「あの…私からもお願いします!」
「お願いします!」
店員「……」
店員「そこまで言うのでしたらやってみますが、決して期待はしないでくださいね」
店員「また連絡します」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:29:22.26 ID:3QXrZ3qSO
それから二週間後
店員「一応出来るだけのことはやりました……でもこれなら満足していただけるかと!」
律「すげー!ありがとうございます!」
澪「これで唯も……!」
病院
律「きたよー!」
憂「ギター…ギター直ったんですね!?」
澪「ああ!」
憂「これね!お姉ちゃんが使ってたギターなんだよ?」
唯「………」
唯(なんだろ…この感じ…)
澪「なんか思い出したか?」
唯「むー………」
唯「ダメだ」ガクッ
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:30:39.80 ID:3QXrZ3qSO
澪「そっか……」
律「まー、焦ることないさ!んじゃ私達はこの辺で!」
憂「さようならー」
ガラガラガラ
憂「そのギターね、お姉ちゃんがすっごく欲しがってたんだよ?」
唯「私が?」
憂「そう!一緒に寝てたりもしてたんだから!」
唯「………」
唯(でも懐かしいこの感じ……)
憂「私ちょっとトイレ行ってくるね!」
ガラガラガラ
唯「………」
ジャララン
唯「なんも…思い出せないや……」ポロポロ
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:32:49.72 ID:3QXrZ3qSO
ガラガラガラ
憂「戻ったよ……ってお姉ちゃん!?どうしたの?」
唯「わかんない!…………だけど涙が……ひっぐ……ぅ…………」
憂「泣かないでよ………お姉ちゃんのせいじゃないんだから」
唯「私…どうしたらいいかわかんなくて………」
憂「お姉ちゃん……」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:34:29.41 ID:3QXrZ3qSO
部室
律「……ギター見せたのになんもなかったな」
澪「………」
梓「だ、大丈夫ですよ!唯先輩バカだから反応が鈍いんですよ!…………多分」
紬「梓ちゃん…」
澪「唯の前で演奏しよう……!」
梓「ナイスアイデアです!」
律「そうだ!まだその手があったか!」
紬「でももしこれで無理だったら…」
澪「…………」
梓「………」
律「そん時はまた始めからやり直そ?」
律「また唯ならギターを好きになってくれるよ!きっと」
澪「そうだな…」
澪「そうと決まればやることは1つだ!」
律「おっしゃー!いくぜー!1・2・3・4!」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:35:58.56 ID:3QXrZ3qSO
唯「スピー……」
憂「もう9時か………ふあぁ……私も家に帰って寝よう………」
唯「ギー…………………………」
憂「へ………?」
唯「スピー……」
憂「気のせいか…」
憂「ねえお姉ちゃん覚えてる?あの話」
唯「スピー……」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:37:35.58 ID:3QXrZ3qSO
唯『憂はどうしてけいおん部入らないの?』
憂『いや…私はいいかなって気がするから…』
唯『そうなんだ…やればいいのに!』
憂『考えておくね!』
憂「もし私が入ったら意味ないもんね」
梓『憂は…入らないの?軽音部』
憂『私はいいんだ…』
梓『どうして?楽しいよ?』
憂『別に嫌なわけじゃないよ…』
梓『じゃあどうして…』
憂『…………』
憂「私が入ったら、お姉ちゃん私を頼るでしょ?」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:39:03.65 ID:3QXrZ3qSO
憂「私ね…お姉ちゃんから軽音部入るって聞いた時スゴい嬉しかったんだ!」
憂「お姉ちゃんが自分の道を歩き始めたって思った」
憂「私がそこにいたらお姉ちゃんのその気持ちを踏みにじっちゃうもん……」
唯「…………」
憂「でもね……」
憂「私お姉ちゃん見てて思ったんだ」
憂「自分はこれで満足なのかって」
憂「お姉ちゃんを後ろで見守ってるだけでいいのかって」
憂「だから決めたの!」
憂「私も――――――――――――――」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:41:44.95 ID:3QXrZ3qSO
梓「唯先輩大丈夫かなあ……」
梓「メールだ…」
梓「純からか」
[元気?]
梓「はあ?」
梓「………やっぱり純は何か気付いて私に……」
カチカチ
梓「純に言ってもなあ…」
ヴー
梓「はやっ!」
[明日この間行った喫茶店でちょっと話さない?]
梓(メールでいいじゃん…)
梓「でも明日は部活もないし…いっか」
カチカチ
梓「はー」ゴロン
梓「…………」
梓「なんかつまんないや…」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:43:18.68 ID:3QXrZ3qSO
喫茶店
梓「ごめん!遅れちゃったあ!」
純「大丈夫大丈夫!私もさっき来たとこだし」
梓「で、話って?」
純「………」
純「それよりさ、ここの新しいパフェ食べた?なんかもうすっごく美味しいらしいよ!」
梓「………」
純「………もーそんな顔しないでよ」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:46:27.70 ID:3QXrZ3qSO
梓「話があるから呼んだんでしょ?パフェ食べにきたんじゃな――――、」
店員「パフェご注文のお客様は」
純「あ、私です!」
コトッ
店員「ごゆっくりどうぞ」ニコッ
純「絶対美味しいよ!」
梓「………」ジーッ
純「食べたい?」
梓「いい」
純「本当は?」
梓「もう!食べたくないって言ってるでしょ?」
純「あっそ、わかった」
パクッ
純「おいしい……………!」
梓「ゴクリ………」
純「一口くださいってちゃんと言ったら食べさせてあげる」梓「は……?」
純「さあいるの、いらないの?」
梓「…………」
梓「ひ……///」
純「ん?」
梓「一口…私にくだ……って言うか!ばか!」
純「ノリツッコミ!どこで!?」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:48:53.37 ID:3QXrZ3qSO
梓「で、話って?」パクッ
純「結局注文してんじゃん…」
純「………」
純「憂から聞いた」
梓「…………」
純「どうして何も話してくれなかったの?」
梓「純にまで迷惑かけるわけにはいかないよ」
純「全然迷惑なんかじゃないよ!」
梓「………」
純「逆に何にも話してくれないで、一人辛い顔される方がもっと嫌だよ!」
梓「ごめん…」
純「私達これでも友達なんだからさ、困った時はお互い様だよ!」
梓「純のくせに…グス」
梓「カッコ良すぎるんだよぉ……」ポロポロ
純「梓………」
純「一口もらっていい?」
梓「さっき食べたでしょ!?」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:50:19.17 ID:3QXrZ3qSO
部室
澪「本当によかったのか?梓呼ばないで」
律「いいのいいの」
律「三人じゃなきゃ話せないことだから」
紬「話しって?」
律「"これから"のことだよ」
澪「"これから"って…もし唯があのままだったらどうするかって話か?」
律「ちがう、梓のことだ」
律「私達がやめたら…梓1人になっちゃうだろ?」
律「1人じゃ部活も続かないし…」
紬「でもそんなこと…」
澪「たしかに…もう来年の1年にかけるしか方法は…」
澪「それに梓も別にいいって…」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:51:25.95 ID:3QXrZ3qSO
律「本当にそう思ってると思ったのか?」
澪「………」
律「最後に先輩らしいことしてあげたいじゃん」
紬「りっちゃん…」
律「ほらあ!私部長だしぃ?最後くらい部長らしいことしたいなあーって!」
澪「まったく…」
紬「でも懐かしいわよね…この教室」
律「どうしたんだよ急に」
紬「ここで色んなことやってきたんだよね…」
澪「本当あっという間だよな…」
律「こら!まだ終わってないぞ!」
紬「最初は不安だったけど、今は本当良かったって思ってるわ」
澪「私も…スゴい最初不安だった。でも…私も入って良かったなって思ってる。」
律「おいおい…そういうことはだなぁ…」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:52:40.59 ID:3QXrZ3qSO
澪「あの時文芸部に入ろうとしていた私を止めてくれてなかったら…」
紬「合唱部に入ろうとしていた私を止めてくれなかったら……」
律「ふ、二人してそんなこと言っても………別に……嬉しくなんかぁ……グス」
澪「本当に…ありがとうな……!」
紬「これからもよろしくね!」
律「……………」
律「うぁああああああん!!!」
澪「こういうやりとり文化祭で加えれば盛り上がるんじゃないか?」
紬「みんな泣いちゃって大変なことに…………あれ?」
律「………」
律「私の涙を返せェ!!」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:55:12.89 ID:3QXrZ3qSO
梓「そろそろ帰ろっか」
純「だね」
梓「あ、メール…律先輩からだ…」
[絶対軽音部潰させないからな!]
梓「……?」
梓「あ、澪先輩とむぎ先輩からもきてる…」
[梓は1人なんかじゃないからな!]
[寂しくなったらいつでも言ってねー!]
梓「……クスッ」
純「良かったね!いい先輩がいて」
梓「うん!」
梓「行こっ!」
純「ちょっと、どこに!?」
梓「どっか!」
純「待って!早いぃ!」
純(いいなあ……軽音部)
純(………)
純(私も…)
純(私も…あんな風になれたのかな…)
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:57:27.57 ID:3QXrZ3qSO
ミーンミンミン
律「暑いよ…」
律「大学受験とかめんどくさいよー」ジタバタ
聡「姉ちゃん!」
律「あ?」
聡「アイス買いにいくけどなにがいい?」
律(できた弟!)
律「じゃ私カップのバニラ!」
聡「わかった!」
律「いやあ!こんなにいい弟がいると嬉しいなあ!あはは…………ん?何その手は」
聡「お金!」
律「なんでやねん!」ガクッ
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:58:31.92 ID:3QXrZ3qSO
紬「ふーんふーんふーん♪」
執事「紬様そろそろ休憩なさっては…?」
紬「いいのよ、楽しいから!」
執事「もうかれこれ10時間は勉強をしていらっしゃいます…」
紬「そ、そんなに!?」バタッ
執事「つ、紬様ぁ!!」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/03(木) 23:59:44.66 ID:3QXrZ3qSO
梓「ふー…やっと夏休みの宿題終わった…」
梓「でも早く終わってもすることないんだよなあ…」
梓「皆さん今頃受験勉強してるのかな…」
梓「私も来年受験か…」
梓「…………」
梓「ずっとこのままがいいなあ…」
梓「ずっと……ずっ…………zzz」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:01:03.65 ID:mlZDCM8fO
澪「歌詞が浮かばない……」
澪「んー、やっぱり曲名から考えよう!」
澪「んー……」
澪「にしてもいい天気だなあ…」
澪「………」
澪「唯……今頃なにやってんのかな…」
澪「……」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:02:27.59 ID:mlZDCM8fO
唯『澪ちゃーん!』
澪『どうした?』
唯『お願いだから勉強教えてくださいー!』
澪『和は?』
唯『いつまでも和ちゃんに頼る訳にはいかないよぉ…』
澪『頼むことに問題があるんじゃ…』
澪『でもいいよ。私でいいならな』
唯『本当ーっ!?』
澪家
唯『ふぃ~疲れた~』
澪『ただ家来ただけだろ…』
唯『………はあ…』澪『どうしたんだよ、ため息なんてついて』
唯『澪ちゃんはいいよねー頭良くて…』
澪『……?』
唯『このままじゃダメだなって思っても何したらいいかわかんなくてさ…』
澪『唯…』
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:03:59.99 ID:mlZDCM8fO
澪『唯でも悩みあるんだな…』
澪『まあただ一つ言えるのは、夢を持つことだと思う』
澪『だからその過程の一つと見れば勉強も楽しくなるんじゃないかな…』
澪『私だって唯が羨ましいと思うことあるよ?』
澪『いつもいつもぐ~たらだけど、やる時はやってくれるっていうか…とりあえず私は唯が…』
唯『………グー』
澪『寝てるし!!』
澪『でも…かわいい………………って』
澪『勉強しに来たんだろ!!!』ペチン
唯『すいませんでしたっ!』
澪『まったく…』
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:05:38.87 ID:mlZDCM8fO
1時
澪『あー眠い!』
唯『もうこんな時間かあ…』
澪『はあ』ドサッ
澪『………』
唯『ねえ…澪ちゃん?』
澪『ん?』
唯『澪ちゃんの夢ってなに?』
澪『えーっと…』
唯『なになに?』キラキラ
澪『秘密に決まってんだろ!』
唯『ちぇー…ブツブツ』
澪『ほらもう寝るぞ!』
唯『澪ちゃんお風呂はー!?』
澪『ああ忘れてたな…唯先入っていいぞ』
唯『二人だし一緒に入ろうよ~』
澪『な……良いから入れバカ!』
唯『あーい』
澪「そういや色々あったな…」
澪「まあ楽しいことばっかりではなかったけど…今思い返すと笑い話なんだよな」
澪「唯もきっと感じてるんじゃないか……?」
澪「この寂しさをさ…」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:07:06.71 ID:mlZDCM8fO
唯「ねえ憂?」
憂「?」
唯「私こんなとこにいていいのかな」
憂「どうしたのお姉ちゃん?」
唯「なんか…」
唯「なんか行かなきゃいけないところがあるような気がするんだよねー」
憂「そうだ!もう外出許可貰えるって聞いたから、明日にでも軽音部の部室行ってみようか!」
唯「うん!」
憂(あそこに行けば何か思い出してくれるかも……!)
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:09:17.96 ID:mlZDCM8fO
翌日
律「お!早いなあ」
梓「今日でもしかしたら唯先輩の記憶が戻るかもしれないって思ったらいてもたってもいられなくて…」
澪「まったく…唯はいい後輩を持ったな」
紬「本当ね」
律「よっしゃー!唯が来る前に準備しとこーぜ!」
「おー!」
ガラガラガラ
律「唯!?」
山中「私です!」
澪「このパターンはお決まりだな…」
ガラガラガラ
憂「失礼しまーす」
唯「………!」
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:12:10.10 ID:mlZDCM8fO
律澪紬梓「おかえりー!!」パーンパーン
憂「皆さん……」
唯「………すごい!」
紬「さーさーこちらへー」
ガタッ
律「それではー唯の回復を祝って……」
律「せ~の~…!」
「カンパ~イ!!」
唯「美味しい………!」モグモグ
律「だろだろ~」
梓(これが普通だったんだよね…)
律「第一部は自己紹介だ!パフパフー」
律「まずわ私!田井中ぁ律!ちなみにドラムでーっす!」
澪「えと…秋山澪です!ベース担当です」澪(なんか可笑しいな…)
紬「琴吹紬です!ピアノやってます!」
梓「中野梓と言います。唯先輩と同じギターです!」
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:13:25.40 ID:mlZDCM8fO
梓(なんか恥ずかしい…)
唯「面白い人達ですね!」
澪「あはは……」
律「っとまあこんな感じで。じゃあ続いては演奏のコーナーでーす!」
律(いくぞみんな……!!)
澪(頼む…)
紬(奇跡起こって…!)
梓(先輩!)
律「1234!」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:14:51.74 ID:mlZDCM8fO
ジャカジャン!
パチパチパチ
唯「スッゴーい!感動しました!」
律「そ…そうか……はは」
律(ダメか…)
唯(でもどっかで聴いたような…)
澪(くそ…)
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:16:10.20 ID:mlZDCM8fO
憂「では皆さんさようならー!」
唯「今日は楽しかったよー!ありがとう!」
律「また来いよー!」
澪「絶対だぞー!」
梓「思い…出してくれませんでしたね…」
紬「しょうがないわよ…あとは唯ちゃんを信じるしかないわ…」
澪「このまま本当に終わっちゃうのか……?」
律「だ、大丈夫だよ!時間はあるし!」
澪「でも文化祭まであと一ヶ月とちょっとしかないんだぞ?」
律「こればっかりはどうしようもないよ…澪」
澪「でもこんな終わりかた嫌だよ……」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:17:21.04 ID:mlZDCM8fO
文化祭当日
梓「…去年と同じですね」
律「まったくだ…」
紬「唯ちゃん結局何も思い出してくれなかったね…」
律「んまあしょうがないよ!今は演奏に集中しよ?」
梓(去年の唯先輩は絶対来てくれるって思えたけど今年は…)
澪「……」
律「みーお!どうしたんだよこんなところで」
澪「いや…色々あったなって…」
澪「思い出すとキリがないけどさ、この音楽室でやってきたこと思い出すとさ…………涙がさ…………」
梓「澪先輩…」
澪「届くかな…唯に」
紬「届くわよ…きっと…」
紬「だって澪ちゃんにも聴こえてるんじゃない?」
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:19:45.31 ID:mlZDCM8fO
澪「……へ?」
紬「"頑張れ!!"って言ってるの!」
澪「むぎ……」
律「さあそろそろ時間だ!」
律「みんな…長い間ありがとうな!」
梓「何を言い出すんですか急に」
律「だがな泣くのはまだはやーい!」
律「これが終われば最高の"放課後ティータイム"が待ってるからさ、みんなはりきっていこうぜ!」
澪「……」
律「唯は来る!」
律「部長の私が言ってるんだぞ?」
澪「信じるよ」
律「んじゃ、いきますか!」
梓(唯先輩……!)
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:21:46.45 ID:mlZDCM8fO
病院
憂「あ…電話…ごめんお姉ちゃん!ちょっと外で電話かけてくるね!」
唯「うん…」
ガラガラガラ
唯「………」
唯「………zzz」
唯『はっ……』
唯『え?』
和『え?じゃないわよ!あんたこのままだと本当にニートになっちゃうよ?』
唯『部活やってないだけでニート!?』
唯『ってあれ?前にも同じような……ブツブツ』
和『何言ってるのよ…まあ早く決めなさいよ?』
唯『うん…』
唯【デシャヴってやつなのかな…】
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:23:43.28 ID:hbj3IxAzO
「」と『』がごちゃ混ぜになっとるぞ
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:28:52.06 ID:QTPKHZrO0
>>111
よく読め
支援
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:23:59.24 ID:mlZDCM8fO>>111
よく読め
支援
唯『……!』
律『これで入部者も増えるなあ』
澪『見てくれるかな…』
紬『あと一人くらい大丈夫よ!』
律『んーそもそも軽音部の存在を知らないだろうからなあ』
澪『とりあえず掲示板を誰かが見てくれるのを祈ろう!』
唯『あの…』
律『?』
唯『田井中さん?』
律『そうだけど……?』
唯『それに秋山さんと琴吹さん?』
澪『なんで知ってるんだ?』
紬『どうして私達の名前を?』
唯『けいおん部の皆さんですよね?』
律『うんそうだよ!………………………………あれ?』
紬『?』
澪『なんで知ってるんだ!?』
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:25:16.55 ID:mlZDCM8fO
「」は現在
『』は過去or夢と受け取ってくれるとありがたいです
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:28:39.32 ID:mlZDCM8fO
律『もしかして未来人とか?』
唯『いや………』
澪【謎過ぎる…】
律『まあいいや!ちょっと私達用があるから!』
紬『またどこかで』
澪『じゃあな!』
唯『じゃあね』
唯『あのーーー!!』
律『なんだーー?』
唯『きっと大丈夫ですよー!』
唯『けいおん部潰れたりしませんよー!』
律『はぁ?』
紬『可笑しな人!』
澪『でも…なんか不思議なんだけどさ…』
律『お前もか!?』
紬『やっぱり!?』
『また会えそうな気がするんだよね』
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:53:37.85 ID:mlZDCM8fO
規制きてた
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:55:51.75 ID:mlZDCM8fO
掲示板
唯『これかあ…けいおん部…』
唯『……』
唯『もしかして私過去に来てるんじゃ…』
唯『だとしたら…』
唯『私は何かやり直したいことがあるのかな…』
唯『え?』
澪『どうした?』
唯『あれ?』
唯『ここどこ?』
律『音楽室に決まってるだろ?早くやるぞ練習!』
唯『ちょっとまって………』
律「123!」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:57:57.42 ID:mlZDCM8fO
唯『はっ……』
梓『どうしたんですか?先輩』
唯『先輩…?』
梓『ついにおかしくなりましたか』
唯『へ?』
唯【どうなってるの?】
唯『…………!』
『私入るよ!けいおん部!』
『名前はギー太!』
『夢は武道館!!』
『ふわふわターイム♪』
『りっちゃん!』
『澪ちゃん!』
『むぎちゃん!』
『あずにゃん!』
『明日の13:00高校の講堂で演奏するから!良かったら来て!』
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:02:40.61 ID:mlZDCM8fO
唯「……!」
唯「そうだ…私行かなきゃ!」
ガラガラガラ
唯『はぁ…はぁ』
和『どうしたのそんな急いで!』
唯『き、決めた!』
和『決めたって………なにを?』
唯「全部…」
唯『私…入るよ!』
タッタッタ
唯「全部思い出した!」
唯『軽音部!!』
唯「みんな…今行くからね!」
ガラガラガラ
憂「お姉ちゃん今高校でけい………………………いない………!?」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:05:06.15 ID:kG+QYYcXO
涙腺が…。
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:06:47.46 ID:MDwm4G7uO
1期の最終回の回想が今脳内再生されてるわ…
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:07:08.87 ID:mlZDCM8fO
タッタッタ
憂「お姉ちゃーーーん!!」
唯「憂!?そんなとこから危ないよ!」
憂「頑張ってーーー!!」
看護婦「ちょっと困ります!」グイグイ
タッタッタ
『今は不安でも』
『いつか入って良かったなって思える日が来るから!』
『きっと…』
憂「きっと!」
タッタッタ
唯「着いた………はぁはぁ」
唯「これじゃあ去年と一緒…」
和「一緒じゃないわ」
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:12:52.99 ID:mlZDCM8fO
唯「和ちゃん!」
和「だいぶ大人になったわよ…唯は」
唯「……グス」
和「行って来なさい!みんな待ってるわよ!」
唯「うん!」
山中「待ちなさい」
唯「さ、さわちゃん!?」
山中「あなたそんな格好で出るつもり?」
唯「あ……」
山中「まったくしょうがないわね…これ来なさい!」
和(なんで持ってるんですか…)
唯「ありがとうございます!」
山中「じゃ、頑張りなさい!」
唯「はい!」
ガラガラガラ
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:16:04.52 ID:mlZDCM8fO
和「唯…大きくなりましたね…」
山中「そう?」
和「きっともう私なんかが知ってる唯じゃないですよ」
山中「そうかもね……ウフフ」
山中「でも…私も今となっては良かったって思ってるのよ?軽音部の顧問になって」
山中「たくさんいい思い出できたし、美味しいおやつも食べられたし」
山中「それにあの子達に教わったこともたくさんあるしね」
和「教わったこと?」
山中「あなたも本当は気がついてるんでしょ?」
和「………」
和「……フッ」
和「そうかもしれませんね」
《キャー》
パチパチパチ
和「そろそろ私達も入りますか」
山中「そうね」
ガラガラガラ
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:19:28.06 ID:mlZDCM8fO
生徒A「そんなこと本当にあったんですかあ?嘘だよー!」
生徒B「その後は………その後はどうなったんですか?」
唯「どうだったっけなあ…………あ、それで私!」
ガラガラガラ
生徒D「先生!」
唯「はい?」
生徒D「なんかお客さん来てますけど?」
唯「……誰だろ…」
生徒D「なんか『高校のお友達』って言えばわかるって」
唯「うそ!?」ガタッ
生徒B「先生!?」
唯「ちょっとごめん!」
タッタッタ
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:24:16.35 ID:mlZDCM8fO
これは私の気まぐれから始まった物語。
それはまだまだ始まったばっかりで、
私達の夢はまだ叶ってないけど、
いつか…
いつかきっと叶うよね!
そういえばあの日もこんな青空だったっけ。
唯「みーんなー!」
あれから何年経っても、
そこにはあの日と変わらない笑顔が待っていて、
あの日と同じことを私は言うんだ!
唯「みんな!」
『ただいま!』
おしまい
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:26:26.05 ID:vxVbcuPR0
俺もさ、夢を持ってないんだよね
けいおん部みたいな仲間、素敵だよね……
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:26:46.22 ID:MDwm4G7uO
乙!
激しく乙!!